蝉時雨
泣けないだけで
心はいつも情けないくらいに
怯えて弱音を吐いている
大人を名乗るには
わたしは未成熟すぎて
それでもどうかちゃんと
与えられたこの命を
生き抜くことができますように
こんなわたしでもせめて
彼岸の人たちのところへ
行きつくまでは
ポツリポツリと落ちてきた
これは
青葉になった枝垂れ桜の下を歩けば
重なるように
鳴く声が降りそそぐ
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