阿修羅
@m1-t0b0-ru
第1話・誘い
喧嘩で負けたことはないしこれからも負けることは無いだろう……そう思っていた…………
「なぁスキト!今日ファミレス行くけど来るよな?」
コイツはクモオ。変な名前だから唯一登校して1日で名前を覚えた人物。食いしん坊でデブだけど面白いやつで今では俺の一番の親友だ。
「なんか新商品出たらしいよ!楽しみだね!」
コイツはスズカゼ。コイツもコイツで変な名前だからすぐに名前を覚えられた。顔は女っぽいしおとなしいけど喧嘩の腕は確かで頼りになるやつだ。
「うん!もちろん行くよ!ただ……クモオの奢りだよ?」
「何でだよ!?」
「だってこの前腕相撲で負けたら奢るって約束だったでしょ?」
そう言われ渋々財布を確認しながら歩くクモオ。見てると笑いがこみ上げていきた。
「冗談だよ!いつもついて来てくれるお礼に俺が払うよ!」
そう言われ喜ぶ2人。そんな2人を見ているとこっちも嬉しくなってくる。こんな平凡な日々がずっと続けばいいな……そう思った矢先のことだった………
「あ〜美味かったなぁ!」
そう言うクモオを見て笑うスズカゼとスキト。その時スズカゼはしっかり前を見ていなかったため誰かにぶつかってしまった。
「あっ……ごめんなさい」
すぐに謝るも転んでしまった相手の隣りに居た仮面をつけた背の高い男にスズカゼは首を掴まれる。
「うっ…!?」
咄嗟のことに何も対応できなかったスズカゼ。すると男はスズカゼを地面に叩きつけた。
「コハルを転ばせといて謝罪くらいで済むと思ってんのか!?ぶっ殺すぞクソガキ!!」
そう怒鳴りつける男。スキトはすぐに男を止めようと殴りかかる。男の顔面にスキトの拳が激突する…しかし……
「なんだぁ?そんな弱い拳で仲間を守れると思ってんのかぁ!?」
そう言いながら男は拳をスキトへ向ける。
「本気で何かを守りたいなら……こんぐらいの力でやれ!!」
「がはっ!?」
凄まじい威力のパンチを受けガードしていたのに手の痛みと震えが止まらないスキト。スキトが膝をついているとクモオがスキトの前に出る。
「俺達が悪かった!だからこれ以上仲間に手を出さないでくれ!」
そう願うクモオだったが容赦なく拳を振り下ろそうとする男。クモオに打撃が直撃しかけたその時……
「……ちょっと…やり過ぎだよヤヅキ…」
そう言いながら男の拳を軽く止める白髪の少女。ヤヅキは拳を下げその少女に謝罪する。
「すまない……つい頭に血が上って……」
そう謝るヤヅキ。そしてスキト達にも謝罪をしてきた。
「悪かった……ついやり過ぎてしまった……」
そう言うヤヅキにスキトは言う。
「………あんた何やったらそんな強い一撃が打てるようになったんだ?」
そう言われヤヅキは少し笑ってから言う。
「コハルを護る……そう誓った日からだな……」
その言葉に心を打たれるスキト。自己満足ではなく誰かの為に強くなる……そんな強さもあるのか……と再び強さについて考え直させられた。
そんな事を考えていると少女が話しかけて来た。
「君すごいね!よくヤヅキのパンチに耐えきったね……ヤヅキのパンチは阿修羅でも1位を競う一撃なのに……」
少女はそう言い少し考えてからスキトに近づいてきた。
「君……私と不良の頂点目指さない?」
そう言われ誘いにあっさり乗るスキト。
「良いよ!」
「ふふっ……今日からよろしくね!私の名前はシノハナ!君は?」
「俺はスキト!こっちはクモオでこの子はスズカゼ!」
「スキト君かぁ……改めてよろしく!」
自己紹介をし終えスキトはシノハナに連れられ阿修羅の本部へと向かわされる。その後をヤヅキとコハルも追いかけて行った。
「………行っちまったな…」
「……うん…」
その場に残された2人は静かに自分の家へと変えるのだった……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます