幾星霜の安寧
———古代、人間がまだ、科学などを知らず、魔法を使い、暮らしていた時代。
その世界は二人の神によって均衡が保たれていた。
創造神 アダマー
破壊神 エヴァ
創造神が幾万のモノを作り、破壊神が幾万のモノを壊す。それを繰り返し、世界は均衡を保っていた。
いつしか、創造神が生き物を生み出し命を与え、破壊神が生き物へ寿命を与え、生涯を終わらせる。
二人の神は「生き物の一生」を巡り、慈愛という心を持った。
その裏で、破壊神・エヴァは創造神の持つ力を羨ましく思うようになった。
——尊く、素晴らしき命を生み出すことが出来る力が何故、私にはないのか……。
……二人の神の中に亀裂が生まれた瞬間だった。
破壊神・エヴァの疑問の前に現れた邪神・ルアーが世界の均衡を破ってしまった。
邪神・ルアーは破壊神・エヴァに、
「創造神の『創星』の力を奪えば、お前の望みは叶うだろう」
と唆され、エヴァはまんまとルアーに載せられ、アダマーの力を奪った。
創造神は力を奪われ、破壊神の裏切りに絶望し、幾千の眠りに入った。
望みの力が手に入った破壊神・エヴァは『創星』を使い、多くの命を育んだ。
——しかし、破壊神が生み出す全ての命には「崩壊」の力が混ざっていた。
その命はみな、等しく、生まれてから「崩壊」を繰り返し、苦しみ生きた。
やがて、「崩壊」の力に慣れていくと、生き物の儚さとはかけ離れた存在が生まれ出た。そして、その生命からは「破壊」の力が放たれ、
——やがて、世界を壊し始めた。
破壊神・エヴァは初めて己の過ちを知り、星々に助けを求めた。
星々は愚かな破壊神・エヴァを『永久の牢獄』に封印し、創造神を目覚めさせ、「創星」の力を再び授けた。
しかし、アダマーはエヴァの裏切りで命を育む力を拒否した。
……星々は困った末にアダマーの中に残る裏切りの記憶を消した。
その後、アダマーは創造神として命を生み出し、破壊神・エヴァの作った生命と戦った。
その戦いではアダマーが勝利し、終わったものだと思われた。
——だが、世界の崩壊は止まっていなかった。
破壊神・エヴァの力により、世界はボロボロになっていた。
エヴァの破壊の力に対抗すべく、アダマーの力を使い、再生しようとしたが、星々はこれまでと同じ神の力を世界に与えれば、世界が壊れてしまうと思い、三人の『千星使』を使わせた。
三人の千星使は星々に与えられた力で破壊神・エヴァの作り出した生命を倒し、平和を取り戻した。
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