第4話~カリアの受難~

「あぁ、美味しそう」


 もはや、カリアに抵抗する意思は失せていた。アンジェの舌がゆっくりと、神棒の裏筋を這う。その卑猥な情景と股間に伝わる舌の感触に、カリアは思わず目を閉じた。


 ん……れろぉぉ……ぴちゃ。


 アンジェの舌がゆっくり這う度に、身体中の魔力が股間の神棒に凝縮していく。

 カリアは思い出していた。アンジェは元々、稀な魔力の持ち主だと言われ、メリダ15世の側に仕える第2階位「純粋な愛」の候補にも選ばれた事があった。それが、このような辺境の村へと派遣される事になったのは、魔力を蓄積することができないからという噂だった。

 男が性を放つ事で魔力を放出してしまうのと、女が絶頂を迎えるのは同じ事だ。

 大きくなった神棒をアンジェは咥えると、顔を上下に動かし始めた。唾液が絡みつきヌルヌルとした肉の感触が先端から根元まで蠢く。その快感にカリアが抵抗できるわけはなかった。


「もう、ダメッ……だ」


 カリアは魔力と共に白濁の液を口内へ注ぎ込んだ。


「ん!……んぐっ……ゴクッ」


 アンジェは残らずそれを飲み込むと、さらに求めるように神棒を吸った。


 その様子を椅子の裏に張り付いたまま、魔王蝸牛は眺めていた。


「あのシスター、アンジェと言ったか。こんな辺境の村にいるにしては、中々の素材だ」


 魔王がアンジェの胎内に注ぎ込んだ《眷属の萌芽》は、本来、女を魔王に隷属させる力だ。しかし、今の魔王の力では、そこまでの強制力を働かすことはできない。しかし、欲望を増大させる事くらいはできた。


「よし、その男の魔力をもっと食らってやれ」


 魔王の命に《眷属の萌芽》が反応する。アンジェは思わず両手で股間をおさえた。ムズムズした感触が胎内から湧き上がる。それが何を求めているか、アンジェにはわかっていた。


 神官カリアは、快楽と同時に自らの魔力が失われていくのを感じていた。快感の後に訪れたのは、喪失感と罪悪感だった。しかし、それさえもほんの一瞬だった。目の前で、アンジェが身に纏っていたものを全て脱ぎ捨てたのだ。張りのある白い裸体が、薄明りに照らされて妖しく光る。神像の前に立つ淫らな肉体は悪魔的であり、その背徳の魅力に目を逸らすことができなかった。先ほど失ったばかりの力が、再び身体の奥底から湧き上がり、股間を満たしていく。自分にまだこれだけの力が残っていた事にカリア自身が驚いていた。

 起立していく神棒を見下ろしながら、アンジェは満足そうな笑みを浮かべた。


「あれくらいじゃ終わりませんよね」


 アンジェは指を脚の間にそえると、自らの割れ目を広げた。薄い茂みの中に、ぬるぬると光る桃色の肉が見えた。


「アンジェ、やめるんだ。これ以上は、神への冒涜だ」


 そう言う声は弱々しかった。


「違います。これこそが、神の御教えなんです」


 彼女は錯乱している。カリアはそう思った。しかし、アンジェの言っていることは、全て間違っているわけではなかった。

 メリダ法国には厳格な身分制度が存在し、国民全ては9つの階位によって区別される。至上とされる第1階位は神に最も近いと言われる法皇であり、別名純粋な光と呼ばれる。その法王の側に仕えるのが、第2階位純粋な愛と呼ばれる四人の少女達だ。彼女達はメリダ法国全土から、厳しい選考を経て選ばれる。候補になることでさえ大変な名誉であり、メリダ法国の全ての少女達の憧れの存在でもある。しかし、その輝かしい地位の実状をアンジェは垣間見たことがあった。

 アンジェの秘部がゆっくり神棒を包みこんでいく。その顔が歓喜に震える。その表情をカリアは美しいと思った。


「だ、ダメだ。こんな事をしては、いけな……くぅぅ!」


 言葉とは逆に、カリアの意識は初めて味わう女の感触を味わおうと神棒に集中する。それは初めて知る感覚だった。この快楽が神の御教えだと言われれば、そうに違いない。もっと味わいたい、もっと肉と肉をすり合わせたい。その欲望にカリアはあっけなく屈した。


「ア、アンジェ!」


 カリアはアンジェの柔らかな尻肉を掴むと、自ら腰を動かし始めた。突き刺すような快感がアンジェの身体を走る。


「あぁあ! それ、いい。もっと」


 腰を突き上げるとそれに反応して、アンジェの表情が歪み、声が漏れる。その光景は、カリアの欲望をさらに刺激した。一度性を放っていたので、すぐに達することはなかった。両手に感じる尻肉の柔らかさを堪能する余裕さえあった。

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