夏の教室
昨日夏休み明けに提出しなきゃいけないプリントが
あるって聞いて慌てた
午前中の部活が終わって更衣室から教室に駆けて来ると、何故か教室の窓が空いてて、端に寄せられた白いカーテンをはためかせてた
夏休みに入る前のホームルーム以来、約1ヶ月振りの教室は、当たり前と言えば当たり前だけど何も変わってなくて、それでも誰もいない教室は明るい夏の日差しと反比例するみたいに静かだった
自分の席の中からお目当てのプリントを見つけてカバンに入れるとなんとなく見慣れない教室を見渡した
お盆を過ぎて日差しが少し和らいだ気がする
夕日が朱くなって
川原沿いではトンボを見るようになった
ふと気付くと聞こえるヒグラシの声が
夏の終わりを告げていた
少し高台にある校舎の3階、この教室にはグランドから聞こえる運動部の掛け声と一緒に透明な風が吹き込んで来る
なんとなく
イタズラ心で窓際の彼の席に座ってみた
友だちと話す時には何の気なしに近くにある席に座るのに
誰もいない教室で、ひとり彼の席に座るのはなんだか、自分に何かを確認するみたいでドキドキした
いつも見ていた後ろ姿の真似をして頬杖をつくと明るいグラウンドがよく見える
穏やかな時間
もう
夏も終わるんだなって思った
開けっ放しにしていた後ろの戸がガタッと音を立てる
はっとして振り返ると
どうやらまだ
わたしの夏は終わらないのかも知れないと
変に動揺しながら思った。
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