真逆の双子の似てるとこ
クヨミ
第1話
僕、篠原海馬がいるクラスには女帝と姫がいる。
もちろんどちらも二人の生徒につけられているあだ名だ。
女帝と姫と及ばれているのがうちのクラスにいる暁月姉妹だ。
二人は双子らしく顔つきはすごく似ているが性格とかはよく双子で聞く真逆なのである。
姉の暁月千早は口数が少なく誰に対しても塩対応でいかにも皇帝っぽいことから女帝というあだ名がついて
妹の暁月舞は誰に対してもフレンドリーでいつも明るくふるまっているので姫というあだ名がついたらしい。
しかも二人は美人なのですぐに他学年にも知れわたり告白して振られた人も数人いるんだとか。
二人とは住む世界が違い過ぎる俺は自分で言ったら変だがあまり興味を持っていないというか変に関わらなくてもいいと考えている。
話題の中心にいる人を他所眼に僕は足早に人が多い教室を抜けてバックを肩から下げて自転車をこぎだした。
まだ部活動に入っている人も少なく通学路は同じ一年生が多く下校していた。
僕は家に帰るよりも先に高校から勤め始めた、カフェのバイト先に向かう。
自転車を十分ほどこぐと少し町のはずれにあるカフェについた。
自転車を店の裏に立てかけ、僕は扉を開けて中に入った
やはりカフェだから、コーヒーのいい匂いがすぐに感じられた。
すると部屋の奥から少し身長の高い青年が出てきた。
「おっ海馬君きたね、荷物はいつもどおりおいていいよ」
「ありがとうございます店長」
そう言って僕はいつも荷物を置いている棚に荷物を下ろした
「海馬君、敬語は別に使わなくていいんだよ年も近いんだしさ」
そう言ってくるこの人は今カフェを運営する店長でまだ年が二十前半らしい
「いいや、店長はよくても、僕がダメなんですよ」
「えっ?どうして?」
「会社に勤めるとき同じくらいの年の先輩がいたらこんな風に話してしまうかもしれないじゃないですか」
「いや~やっぱりまじめだね~僕が高校の頃は目上の人にもため口使ってたからびっくりだわ」
「それは店長がおかしいのでは」
そんな店長の雑談に付き合っているとお客さんが入ってきた。
このカフェは若者から中年代の人までをターゲットのしているのだが
客入りはあんまりよくない、お客さんが来たとしても一日に二十人程度だ。
そんな、あまり働いていない気もする場合とだがなぜかほかのバイトよりは給料は多くなっている、あの店長だからそうしているのだろう。
そんなこんなで時間もたち僕の勤める時間は終わった。
「海馬君今日もありがとね」
「いえいえ、仕事なんですから」
「なんか、僕よりもしっかりしてるんだけど」
「それは店長がしっかりしていないからですよ」
「はいはい」
「じゃあ、最後に少し厨房借りますね」
「はいよ~」
そう言って僕はなれた手つきでコーヒーを入れてそこに少し泡立てたクリームを乗せて猫耳のように形をとりコーヒーの水面に猫の顔を書き込んで写真を撮った。
「海馬君、今日は何を作っているのかな~」
「ああ、今日はデコレーションしたコーヒーをとってたんですよ」
そう言って僕はさっきとったコーヒーの写真を見せた。
「おお~やっぱりうまいね」
「そりゃ来たときはほとんどやっていますから」
僕は少しでも売り上げにつながるようSNSにこう言ってコーヒーやスイーツの写真を掲載して宣伝をしているのだ。
「これが、ちょっとくらい話題になってくれたらいいんですけどね~」
「まあ、なんとかなるよそんな感じで俺のかあさんもやってたみたいだし」
僕は荷物を背負って店から出て自転車に乗り冷たい風を浴びながら家に帰った。
家に帰ると時間はもう七時を過ぎていた。
「あら、やっとかえってきたのね、晩御飯うどんだったからすこしのびちゃったわよ」
「帰りが遅いとわかってるのにうどんっていうチョイスは違うと思うけど」
「いいじゃない、食べたくなったんだし」
そんな感じで話しかけている人は母さんではなく大学生の姉だ。
両親は共働きでうちにいることはめったにないなので姉が主に家事などをやってくれている。
そしてバイト先を選んでくれたのも姉なのだ。
なにせ、姉と店長は付き合っていた時期があったからだ。
そんな関係で今のバイト先があるからだいぶ姉には感謝している。
「そういえば、海馬は高校どうよ?」
「ぼちぼちかな」
「そういって又中学みたいな感じで友達も作らず過ごす気でしょ」
「、、、、」
「その反応は図星だね、まったく姉さんはいちいち友人関係までうるさいんだよな母親じゃあるまいしって思ったでしょ」
「心を読むのやめてくれない?あと、友人なんてめんどくさくなるだけだよ」
そう言って僕はすこし伸びているうどんをすすった。
(友達か、、、今更遅いよな)
そんなことを考えながら僕は宿題やお風呂などを済ませて眠りについた。
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