しおさい日誌

御願崎冷夏

第1話 いい日だな

GWなんて大嫌いで

毎年ぜんぜん面白くないから

喰っちゃ寝くりかえしてやり過ごすのだけど

今日の場合、ちと面白くて

すっかり目が覚めてしまったので

とりあえず記録しとくことにしよう。


玄関に

「かーさん、ただ今ー」の声。


一緒に暮らしていた彼女と別れたての為

現在、うちに居候中の息子が

全身ずぶ濡れの上、パンツ一丁で

玄関の外に立っている。


「あのさー、タオルとってきてー」

ぽかんと仰天するしかないわたし。


「・・・いくらなんでもさ~・・・・

アンタなにやっとんの(怒!!!」


「は? あんまり天気いいから、

海開きすることにした。

友達と泳ぎよるだけ~

あっ、つーかこれパンツと思った??

ぎゃはははははは

大丈夫です、水着です」


世界でもウケたらしい芸人さんまがいの

ポーズをとってみせる、

息子はほんま、自由な男だ。


わたしには単なるパンツに見えるけど

水着というからにはきっとそうなんだろう。


通報案件にならんことを祈りつつ

海辺すぎる我が家の立地が

海の家がわりに実家を使い、

パンツまがいの水着で堂々とそのへんを歩く

息子の自由をつちかったのだなぁと

あるいみ感慨深い。


しかし、息子は20代ももう後半だったりする。

下腹も出てきているし、

若者とは口が裂けても言えない気もする。

てか仮に若者だとしても、

普通は恥ずかしくてダサい気もするし

水着一丁でも道は、絶対歩かんと思う。


変質者と勘違いされて

やっぱり通報されないかしらん、、、滝汗。


呼び戻そうと外に出たけど

どうやらもう

息子はパンツ一丁で

魚になってしまったらしい。


2024年GWに。

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