ずっと肥満児だったけど、社会人デビューを切っ掛けにダイエットした話
統失2級
1話完結
僕は30歳の時に統合失調症と診断された男ではあるけれど、今回はそれ以前の健常者時代の話をしていきたいと思います。
僕は物心付いた頃には既に立派な肥満児で小中高とバレンタインデーにチョコレートを貰う事は一度も無かったが、社会に出てから一念発起してダイエットに成功し、11人の女性とデートする事が出来た。1人は同い年の当時のパチンコ屋の同僚であとの10人はテレクラで知り合った女性たちだった。当時、21歳だった僕はダイエットに成功したとは言っても、腹には僅かな肉が残っており、そのパチンコ屋の同僚は仕事中でも休憩中でもお構い無しに僕の腹を揉んで来る女性だった。そんなとある日、いつも腹を揉まれているお返しとばかりに、僕は休憩中に彼女の腹を指で突付いたのだが、すると、彼女は「セクハラだ、賠償金として食事を奢れ」と泣き真似をしながら発言し、そんな訳で僕と彼女はデートをする事になった。その日は夜勤だったので、仕事が終わると24時(うろ覚え)を回っていて、それは、深夜のデートだった。2人はファミレスでの食事を済ませ深夜ドライブをしていたのだけれど、2時間くらいすると僕も運転に疲れてしまい、スーパーの駐車場に車を停めて休憩を取る事になった。その休憩タイムの車中で僕は性欲に負け、いきなり彼女の胸を揉んでしまうという失態を犯してしまう。すると彼女はキツイ口調で「やめて、私に取って◯◯(僕の渾名)は友達なの、男としては見れないの」と、僕を拒絶して来るのだった。その後、彼女を家の近くまで送り届ける事になったのだが、車中の2人は無言のままで、そこには重苦しい時間が流れていた。彼女は僕がデートした女性の中で最も美しい女性だったが、結局、キスすら出来なかったのが悔やまれる。とは言っても、全ては性欲に負けて暴挙を働いた僕が悪いのだけれど。そして、その後の職場での彼女は僕を避ける様になり、それに堪えられなくなった僕はそのパチンコ屋を退職して、他所のパチンコ屋で働く事になった。そんな、傷心の中にあった僕を救ってくれたのは、その新たなパチンコ屋の3つ年上の男性同僚だった。彼は僕にテレクラを教えて、僕はテレクラ遊びに夢中になった。そして、テレクラで知り合った年上の女性と、知り合ったその日の内にホテルに行く事になるのだが、包茎童貞だった僕は自分に合ったSEXのやり方を知らずに、その日は結局、射精にまでは至らなかった。その時点の僕は膣への挿入経験はあったものの、射精には至らなかったという点で童貞だったと言えると思う。結局、僕の童貞卒業はその女性との3回目のデートで果たされる事になる。包茎のSEXにはちょっとした工夫が必要であり、3回目のデートでのSEXでその工夫を実践したという訳だ。その女性との関係はそれ以上、発展する事は無く3回のデートで終わる事になったのだが、その後も僕はテレクラ遊びを続けて、先にも述べた通り、結果としてテレクラで知り合った10人の女性とデートし、2人の女性には逃げられたものの、8人の女性と金のやり取りの無い純粋なSEXを経験する事となった。だけれども、実はどの女性とも関係は長続きせずに、1回のSEXで終わった女性も何人か居たし、最も長く関係が続いた女性とのSEXですら6回程度だった。とは言っても、その女性とは1回のデートで複数回SEXする事があったので、実際に会ったのは4回程度だったと記憶している。そして、どの女性とも金のやり取りは無かったとは言え、食事代もカラオケ代もホテル代もガソリン代も全額僕が出していた。と此処で童貞卒業の女性に続き、8人の女性の中で印象深かったもう1人の話をして行きたい。その女性は鮮やかな柄のバンダナを頭に巻いて待ち合わせ場所に現れたのだけれど、年齢は確か僕より2歳〜3歳年下で笑顔が可愛らしい女性だった。当時から僕は広島県に住んでおり、これは広島市での話なのだが、彼女は自分の姓は広島だと名乗っていた。「此処が広島だから名前も広島って流石に安直過ぎない? 偽名バレバレだよ」と僕が少し意地悪な質問をすると、彼女は「まぁまぁ、それは良いじゃない」と話をはぐらかしていた。そして、飲食店で食事を取った後にホテルに行く事になり、彼女とは問題の無いSEXを済ませてホテルに一泊したのだが、僕が彼女を印象深く記憶しているのは彼女の希望で、その後に出掛けたカラオケ店での出来事が理由である。僕自身も歌唱力は大した事ないので、人様の歌唱力を批判する資格は僕には無いのだが、しかし、彼女は僕の想像を絶する異次元で破格の音痴さんだった。あれには本当に驚いてしまったが、彼女は楽しそうにニコニコしながらマイクを握っていたので、その様子を見ながら僕は(プロ歌手以外の人間は別に音痴でも何でも構わないじゃない)と思う様になっていた。その後、彼女を家の近くまで送り届ける事になったのだが、その時に始めて彼女は住まいは福山市と打ち明けるのだった。広島市から福山市までの距離は100Km以上あり下道で行くと2時間以上掛かってしまう。「福山市まで送ってよ」と頼まれた時には一瞬躊躇したものの、互いに性器を舐め合った仲でもあったし、これも何らかの縁だと思い結局、車で送る事にした。だけれども、彼女とは遠距離の問題があったので、僕は彼女に連絡先を聞かなかったし、彼女の方も僕には連絡先を聞かなかった。そして、往復で4時間以上も車を運転した僕は会社の寮に帰宅後、煙草を吸いながら(電車代を渡して帰って貰っても良かったな)等と疲労困憊の中、物思いに耽るのだった。彼女とは1回きりのデートで終わった訳だが、カラオケと遠距離が理由で彼女は今でも忘れられない女性の1人だ。また、僕の一連のテレクラ遊びの感想としては当然の話ではあるけれど、童貞卒業の相手やバンダナの女性を含めて、テレクラに電話を掛けて来る女性は一般の女性に比べて、遥かにSEXへのハードルが低かった様に思える。しかし、そんな僕の黄金期は悲しくも短く、20代の中頃を迎えると僕は立派なハゲになっており、またリバウンドでデブにも戻っていて、その様な僕がテレクラで通用する訳も無く、テレクラ通いは諦めざるを得なかった。その結果、哀れなる僕は風俗の常連となってしまう。僕の過去の最高年収はトラック運転手時代の410万円だけれど、風俗に通いまくるせいで給料日前になると、いつも金欠になっていて、給料日前は白米と魚の缶詰、白米とレトルト食品、白米と魚肉ソーセージばかりを食べていた。悪魔の呪いにも思える苛烈な発情期を生きていた僕ではあったが、49歳独身の現在は加齢と精神薬の影響で性欲もすっかり衰えてしまい、風俗の世話になる機会も皆無となって生活は完全に安定している。(49歳独身そのものが、悪魔の呪いなのかも知れないが)そして、最後に冒頭で紹介したパチンコ屋の女性同僚の話に戻らせて欲しい。僕はテレクラ遊びや風俗通いを続けながらも、彼女の事が忘れられず、結局、彼女の事は15年くらいずっと想い続けていた。それが、36歳くらいの時に再会する事となるのだが、その時の彼女はすっかり中年と化しており、僕の彼女への想いは一瞬にして消滅してしまう事になる。まぁしかし、その時の僕も完全なるデブのハゲの中年だったので、彼女の容姿の事を兎や角言える身分では無かった訳だが。また、再会とは言っても気紛れで偶然入ったパチンコ屋のカウンター内に従業員として立っている彼女と数秒間視線を交わしただけの話である。そして、そのパチンコ屋では結局、玉も買わずに退店する事にしたのだった。という訳で長くなりましたが、この辺りで統合失調症2級男の女性遍歴の話は終わりにしたいと思います。最後まで読んで頂きありがとうございました。
ずっと肥満児だったけど、社会人デビューを切っ掛けにダイエットした話 統失2級 @toto4929
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