おっぱいと生理◆ワンピースからズボンへ

これは、小学六年生の冬頃の話。


いつも、着る洋服といったら、ワンピースやスカートだった。

いわゆる女の子の洋服を好んで着ていた。

あの頃までは…。

小学六年生の冬頃までは…。


それまで何の気もなくワンピースを着て過ごしていた。

学校でも家でも。


いつも何ら変わりもなく過ごせていたはずの小学六年生のワタシだったが、不意に今の自分が着ている洋服が気持ち悪く感じてしまった。


授業が終わって、帰りの準備をしている時に、ふと自分の着ているスカートから出る脚に目が行った。


脚の肌が見えている。

ふんわりとしたスカートが揺れている。


急に、嫌になった。

肌が見えるのも、歩く度にふわふわとスカートの裾が揺れる動きとか、まさに女の子みたいと思ってしまった。


次の日からは、親に詳しいことは言わずに『今日はズボンを履いていく。』とだけ言った気がする。

ズボンを履いて学校に行った。

ワタシがズボンを履いているのが珍しいみたいで、声をよく掛けられた。


その日から小学校を卒業するまでずっとズボンを履いて過ごしていた。


小学生の高学年にありがちなことなのかもしれない。

急に身体が成長して、異性の目を感じるようになる。


肌を隠したがったり、男の子っぽく振る舞ったりしたくなる。


でも、これは自分ではどうすることもできないんだ。


ズボンを履いて肌を隠せば、視線から守られる。

女の子として、見られないで済む。と、あの幼かった頃の自分はそう思っていたのかもしれない。


中学生からは、指定の制服があるため、その制服は難なく着られて過ごせていた。


けれど、夏服に変わる時が一番嫌だった。

夏服は、ブラウスとスカートだけ。


ベストも着られず、

ブラウス一枚だけでは、守られるものが何もないではないか…と思いながらも指定された制服を着てほんの少し猫背で過ごしていた。


なぜ猫背なのかって?

それはね、胸が無いように錯覚させるため。

猫背なら胸の部分に余分な布が出来るからそれで立体的な胸をカモフラージュするため。


だけど、今思えば全然、カモフラージュになってなかったかもね。

猫背だと背中と肩は痛くなるし、姿勢が良いとはとても言えない姿だったと思うし。


中学生の頃は身の回りにあるもので上手く隠して過ごさなければならなかったんだ。


中学二年生になれば、身体も心も大人へと成長していくよね。


特に中学二年生の頃が、身体のラインを隠したりする行動が酷かったかな。


夏服に変わる時に着るブラウス、本当は半袖しか着ちゃいけないのだけれど、ワタシは長袖のブラウスを腕まで折って、腕まくりした状態で過ごしていた。

悪い子でした。はい…。


家で着る洋服も中学を卒業するまでずっとズボンでしたね。

ダボダボのズボンを腰で履いて身体のラインが分からないようにして、肩で風を切って歩いていました。

父の歩き方が格好良かったんだ。


中学二年生になる頃にワタシは、髪の毛をショートカットにした。


ショートカットにしたら、何故だか分からないけれど、とても明るい気持ちになったんだ。


言葉で表すと、

『心の中に風が通ったような感じ。』


アクティブな子になれたような気がした。

気持ちも明るくなって、色んな人と仲良くなれた。


『本当の自分って感じがした。』


おっぱいやお尻、括れなんかが立体的に目立つようになってからは、特に隠すようになったと思う。


髪の毛もショートカットで、ダボダボのズボンを履いて、女の子ではなく、中性的になれたのが自分では心地よかった。



親に、ワタシが学生の頃、ズボンばかり履いていたことを話したことがあった。

自分の身体の変化が嫌だったことを伝えたら、何も言わずに聞いてくれたことに今は、とても感謝している。

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『おっぱいと生理』 rinna @rinna_

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