観測者のあとがき
にゃんこう
Q&A_観測者ってなあに
『Q.人類の歴史が現代まで受け継がれているのはどうしてなの?』
A.それは当時の人々が石や金属、色褪せた古紙に、生存するための知恵や情報を書き記していたんだ。その文献資料や考古資料から研究者たちがその時代の背景を推測して、教科書等で現代を生きる者たちに伝達しているんだよ
否。
A.それは観測者が石や金属、色褪せた古紙に、生存するための知恵や情報を書き記し、後世へと引き継いでいたからなんだよ。その文献資料や考古資料から研究者たちがその時代の背景を推測して教科書等で現代を生きる者たちに伝達しているんだよ
『Q.観測者ってなあに?』
A.人類には寿命がある。生存していくための知恵や文明を発展させるためにはそれを後世へ伝える必要があったんだ。紙もコンピューターも存在しない時代。文字というものを覚え始めた頃の未熟な人類には、後世へ引き継ぐ手段も方法も分からず、文明の発展など乏しく衰退していくばかりだった。
だけどね、観測者たちがこの世界のあらゆる出来事を記録して次の世代へと引き継ぐ役割を担っていたんだよ
『Q.具体的に観測者はどんなものを記録していたの?』
A.科学技術、医療、文明の発展、戦争や紛争など記録して受け継いでいく使命が与えられたんだ
『Q.観測者はどこからやってきたの? そもそも人間なの?』
A.観測者は人類という生命体をえらく気に入った神様の使者なんだよ。観測者は人類に溶け込むためにまったく同じ外見と中身を持つけど、違う点を挙げるとすれば不死の身体であることだけなんだ。人間というより”人間もどき”だね。
『Q.不死の身体を持つなら、観測者は今もどこかで生きてるの?』
A.残念だけどもうどこにも観測者は存在していないよ。人類の成長は他の動物とは違って著しいもので、もはや観測者がいなくても人類は衰退しない、そう判断した神様が観測者たちに役割終了を告げて、観測者たちは一斉に姿を消したんだ。
『Q.そうなんだ。もし、現代まで観測者が生きていたら?』
A.仮に生きていたら、そのときはお友達になってあげてよ。
『Q.お友達に?』
Aそう。きっと寂しい思いをしていると思うからさ。
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