エピローグ
夕暮れの一本道を歩いて行く二人の少女。
「……」
ルシアがそっとライラの頭に手を乗せると、ライラは無表情でルシアを見上げる。
使節としての役割を全うしながら、ライラの治療法を探す旅。途中、山賊や盗賊に襲われている人や町があれば助けながら…侵略に苦しむ国があれば傭兵として貢献しながら…一つ一つ、同盟を結んでいく。ブルーメの奇跡という噂と共に、ルシアの名前はブルーメ国外でも広く知られるようになっていった。
紅の髪をなびかせ、颯爽と助けに現れる少女。
誰が言い出したのか、人々はいつしか彼女をこう呼ぶようになった。
───紅のルシア───
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