妙な夢十夜

化野生姜

一夜目・ヤクザの部屋で寝具を食いちぎる

 …妙な夢を見た。


 ベッドの寝具を一心不乱に食いちぎっていた。


 枕も、布団も、毛布も。

 手当たり次第にひっつかんで食いちぎる。


 ――ふと見ると枠組みだけのベッドの上に一人の若い男が震えていた。


 聞けば、ヤクザの若頭で今年十九になるらしい。


「若いのに可哀想に」


 思わず声が出た。

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