第2話 ストーカー後編
車を走らせて40分が経過した。今頃、娘が戻って来ないことに困惑した親が警察に連絡をしている頃だろう。いくら日本の警察が優秀であっても俺をすぐに見つけ出すのは不可能だ。1日もあれば俺と彼女はミルクとコーヒーのように綺麗に混ざり合い、甘くて美味しいコーヒー牛乳のように仲睦まじい関係になるだろう。そして、両親にサプライズ結婚の報告をすることになる。
俺の行動は少し強引なやり方なのかもしれない。だが、奥手で臆病な彼女のために、ロマンティックな出会いをプロデュースしてあげただけのことである。女性と愛を深めるには時間と言葉をかけることは意味がない。女性とは本能的に強い男性を求めている。それは非力な自分を外敵から守ってくれる強い戦士が必要だからである。俺の強い姿を見せれば彼女はますます俺のことが好きになり、何をされても喜びにかわる。力に勝る愛情表現は存在しない。
綺麗な星空が見える山頂の展望台。22時以降は立ち入り禁止になっているが、ロープを外せば誰でも自由に出入りすることができる。土曜の夜なら数台の車が止まっているが、今日は平日なので俺の車しか止まっていない。俺は彼女を車から連れ出して、駐車場から少し離れた場所にある丸太で作られた休憩室のベンチに彼女を座らせる。そして、両手を背中にまわして手錠でつなぎ、口には猿ぐつわを付ける。
俺はやすらかに眠る彼女の全身を舐め回すようにじっくりと目に焼き付けてから、真珠のような頬を、渾身の力で平手打ちする。彼女の小さな顔の柔らかい頬はモミジのように真っ赤に染まり、目をむき出しにして目を覚ます。
「
俺は服を脱ぎ捨てて一糸まとわぬ姿で、大きく目を開き、口の中がむき出しになるように大きく口を開け、両手を天高く突き上げた。俺の美しい全裸を見た彼女は、腫れあがった頬の痛みを感じるよりも、脳に不可解な電気が走り、穴という穴から汚水のようなものが流れ落ちてくる。彼女の黒のタイトパンツの股間の部分には大きなシミができ、目から涙が、鼻からは黄色い汁がこぼれ落ちてきた。
「美しいあなたが汚れるさまはとても美しい」
俺は恐怖に慄いて汚物まみれになった彼女を見て興奮が止まらない。勃起したイチモツを彼女の顔に数回こすり付けると、白い液が勢いよく飛び出してきて彼女の顔にこびりつく。
彼女は歓喜の悲鳴をあげたくても猿ぐつわをしているので、声を出すことができない。甘美な声を聞くことができないのは心苦しいが、今は俺のアピールタイムの時間である。俺の鍛え上げられた肉体と興奮でそびえ立つイチモツを見せつけて、身体的強者であることを彼女に教えてあげた。精子を顔面にかけたのは快楽を満たすためではなく、多くの種を残すことができる濃厚な精子であることを証明するためだ。俺の躍動する精子を見れば、甘く濃厚なクリームを舐めるように、俺の精子を欲しくなるはずだ。
一方俺は、天使のように無垢で美しい姿の彼女が、体内に秘めたる汚物をさらけ出したことで、不快な匂いを漂わせながら美しい姿が醜態に変貌するさまを見て、本当の愛を知ることになる。人様には見せたくない姿をさらすことで、愛情は深まり一生離れることができない絆に変わる。美しい女性であればあるほど、醜態を見せるのは屈辱であるが、その恥じらいを取り払うのは俺の役目なので、先に俺が生まれたままの姿をさらけ出すことで、彼女の恥じらいを和らげてあげた。
「痛いのは初めだけです。すぐに慣れますよ」
次は圧倒的な腕力を見せつける時間だ。彼女の美しい顔をぐちゃぐちゃに潰すことで、真実の愛に目覚めさせるのだ。痛みと快感は同じである。違いはそこに愛があるかないかである。愛がなければ痛みで終わるが、愛があれば痛みは快感に変わる。俺の愛で包まれた拳で、彼女の顔面を殴りつけることにより、俺の強さを知りそして快感を得る。まさに一挙両得である。もうすぐ彼女は俺のモノになる。そう思うとアドレナリンが全身を駆け巡り、自慰行為以上の快感が全身を駆け巡った。
(なぜ俺が精子をぶっかけられないといけないのだ)
(良く我慢したわね。これで彼は絶頂の興奮状態になったわ。今がチャンスね)
(ささっと退治してくれ)
(もちろんよ)
「
男が煌煌の笑みを浮かべて両手の拳を握りしめて、女性の顔面を殴りつけようとした時、世界が反転した。
そこは漆黒の闇が支配する場所、空には不気味な赤い満月が輝き、限られた地点のみをスポットライトの如く赤く照らす。地面はガラスのように透明で、地中の奥まで見渡すことが可能だが、奈落のように深く暗闇しか見えない。摩訶不思議なこの地に生存が確認できるのは、金髪ツインテ―ルの学生服を着た少女と小さな黒猫、そして、ナメクジのような体長1mの奇怪な生き物だった。
「あんこちゃんのおかげでだいぶ弱っているようね。これなら新人ハンターの私にも退治できるわ」
奇怪な生き物を見た少女は大きな胸をバインバインと揺らしながらはしゃいでいた。
(本当に損な役回りだ。頬を殴られるのはまだ良いが、イチモツを顔面にこすり付けられた挙句、顔射なんて一生残るトラウマだ)
「でも、あんこちゃんが肩代わりしてあげたおかげで、女性はつらい思いをしなくてすんだのよ。胸を張って喜んでも良いのよ」
(たしかにそうかもしれない。こんな俺でも人様の役に立てるのは嬉しいが・・・まぁ、無駄話はこの辺にして、
「そうね。これで少しは借金が減るわ」
奇怪な生き物は、地面を這うように少女に向かってゆっくりと動き出す。
「おんな・・・おんな・・・おっぱいのおおきい・・・おんな」
喉が潰されたような歪な声を上げながら、奇怪な生き物は少女の方にのそりのそりと近づいて行く。しかし、ドロドロに溶かされたようなもろい皮膚が、動く振動により、瓦礫のように崩れ落ちる。
「ほとんどの生命源を
少女は握りしめた両手の拳を横一文字にくっつける。そして、ゆっくりと引き離すと虹色に輝く剣が姿を現した。少女は
「さて、赤の変異核だけを抜き取るわ」
少女は真っ二つに切り裂かれた生き物の体を丁寧に解体して、5㎝ほどの赤い球体を取り出した。
「これで変異核の回収は終了よ。
「
少女が呪文を唱えると、少女と黒猫の姿は消えて、2つに切り裂かれた生き物だけが真っ赤な月に照らされていた。さきほどまではナメクジのような姿をしていた生き物は、少しずつ時間をかけながら風貌が変化していく。数時間後には2つに引き裂かれた体は1つにもどり、ナメクジのような風貌は人間の形をしていた。
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