ドラゴンとともに世界を守るチート悪魔
かうわーど
第一章 プレリアル王国編
第1話 王国の危機
「
黒髪ショートヘアの能天気そうな小さな女の子が声をかけてきた。
「ここでその呼び方はやめろ」
「いいじゃんいぶきと主の仲なんだから」
「そういう問題じゃねえ」
今、日本と呼ばれる国の首都にいる。
最近はめまぐるしく技術が発展してきて十数年前とは比べ物にならないほど人でにぎわっている。この世界は珍しく”魔力”と呼ばれるものは存在していないが数少ない”成功した世界”と言われている。だが、最近この近辺の空間が不安定だという話を相方のさくらから聞いていた。つまり、「”ワープホール”を作っているのではないのか」ということだ
そんなこんなでもう一人の相方のいぶきと調査に来た。
「いぶき、はらへったぞ~」
「少しくらい我慢しろ 後で何か買ってやるから」
「わかった!!がんばるぞ~」
これでも一人で世界を壊滅状態にまでするほどの力を持っている。
「ついた、ここが今日の現場だ」
「おお〜ここか!」
そこはとある大学で、さくらによればここで頻繁に空間がねじ曲げられたりしてるらしい。また、この国の重要な役職についている人たちが頻繁に出入りしてるらしく、多くの軍隊もこの建物の中へ入っていったという目撃情報もある。
『
「どうした?」
大学に入ろうとしたその時、さくらから声をかけられた。
俺たちは魔道具の一つのインカム型のトランシーバーを使って遠く離れていても会話ができるようにしていて、それを使えばほかの世界などからでも連絡を取り合うことができる。
それを通じてさくらが連絡をしてきたのだが、
『報告したいことが二つある』
「なんだ?」
『ワープホールの先が見つかった』
「どこだ?」
『プレリアル王国の山間部』
「別世界の、あの王国か?」
『そう』
まさかのねじ曲がった空間の先が別の世界だとは思ってもみなかった。
「いぶき、現場に行け」
「わかったぞ!」
いぶきは空間を切り裂いて消えていった。つまり、「別の空間へワープした」ということだ。
おそらくあちら側はいぶき一人で何とかなるだろう。
『それと、この世界にもう一つ、ワープホールが見つかった』
正直聞きたくなかった。
『それも、一つ目よりかなり巨大なやつが同じ穴につながっている』
「それはどこにある?」
『そこから南西に約40km、名前は「自衛隊厚木航空基地」』
「自衛隊ということは…」
『この国の唯一の武装組織』
「なんのために」
『おそらくプレリアル王国に対する牽制や防衛かと…』
かなりまずい
ほかの世界に干渉される前にワープホールを消してしまいたかったのだがもう手遅れだった。
『主様、どうする?』
「いぶき、そっちはどんな感じだ?」
『ん~とね、なんか基地みたいなの作ってるぞ~?』
向こうではもうすでに基地の設営が始まっているらしい。
『あと、なんか王国の騎士みたいな人たちが戦っているけどみんな返り討ちにあってるぞ~』
それもそのはず、プレリアル王国は技術が発展しておらず、剣や弓矢で戦う国だ。
しかし、"魔力"というものがあり、"魔法"が使えるため、少しは戦えるはずだが、
『おぉー』
「どうした?」
『なんか四角くて細長い棒がついてるやつが「どーん」ってやったら後ろから魔法を使ってた人たちが吹き飛んだぞ!!』
「まじかよ」
『まじだぞ』
『おそらく、自衛隊はむこうから攻撃してきたのをいいことに正当防衛だと主張して基地の建設予定地に近づく人を攻撃しているのではないかと…』
激化したら大変なことになりそうだ。
おそらく王国側も勝手によそ者が入ってくるのは避けたいのだろうが、自衛隊がどう動くかわからないため、そこまで大きな戦力は送れないのだろう。
「すぐに王国に向かう。さくら、お前も来い」
『わかった』
そして王国に来たものの、自衛隊に「撤退してくれ」と言っても意味がないし、武力で無理やり撤退させることもできないわけで、
「王都に行くぞ」
王国側を味方につけてなんとか撤収してもらおうという作戦だ。
この国は"魔物"と呼ばれる生き物が森のいたるところに生息していて簡単には都市を作れず、必然的に魔物の少ない平野で人々は暮らしている。
だが、戦車や重機関銃、果てはF35など垂直離着陸可能な戦闘機を投入し、魔獣を一掃。巨大な川の周りにわずかにあった平たい土地を活用して空軍基地にするつもりらしい。
「主様、巨大なワープホールが設置された厚木基地にたくさんの爆撃機が集められているらしいです」
「王国の技術力が低いのをいいことに戦争でもして国を乗っ取ろうとでもするつもりか?とりあえず、国王に接触をしてから作戦を立て直すぞ」
そして俺達は70kmほど離れた王都へ国王と接触するため向かった。
ドラゴンとともに世界を守るチート悪魔 かうわーど @entyo202111
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