任務番号第108号@JSS

@HeppokoNABEchan

第1話 30連発の銃声

横浜駅西口。


高校生、大学生から中年のサラリーマンまで集まる、夜も明るい街。


忘年会だろうか、集団で飲み屋に入るグループが多い。


岡野の信号まで続く、人の多い歩行者天国。

わいわいと夜でも賑やかな歩行者天国。


男と男が、肩をぶつけた。


「あ?なんだおまえ」


中年の男がドスのきいた声で言った。


言われた男は黙ったまま下を向いている。


その男が着ている丈の長い黒のダウンコートは、前のファスナーが開いていて、右手がコート内、左の懐に隠されていた。


「黙ってねぇでなんとか言ってみろや」


ドスのきいた声の男の連れが、一歩ダウンコートの男に近づく。


ダウンコートの男はキッと2人を順に睨みつけると、コートの内側から銃を出した。


「⁈」

『ズダダダダダ…!!』


男が引き金を引きっぱなしにしている間、連続した乾いた銃声が夜の街に響いた。


2人はすぐに倒れ込んだが、ダウンコートの男はM4A1を撃ちやめない。


カランカランと音を立てて薬莢が落ちていく。


弾切れになり、ホールドオープンになるまで、銃声はやまなかった。


銃声は、周囲の悲鳴と混ざって響き渡った。



「臨時ニュースをお伝えします。本日22時40分頃、横浜駅近くで、銃撃事件が発生致しました。この銃撃事件により指定暴力団、龍柳会(りゅうりゅうかい)組長の矢崎哲平と組員、ワン・リーが体中に合計30発の銃撃を受け死亡しました。犯行現場には銃撃に使用したとされる自動小銃と、発砲された際に排出された薬莢が残っていたとのことです。犯人は未だ逮捕されておりません」

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