第2話 突如として現れたダンジョン

 ――――ダンジョン。

 

 世界に突如として現れたダンジョン。


 洞窟のような見た目をしているのだが、奥に入ってみると石や土などではなく、コンクリートやアスファルトで覆われた空間が広がっている。


 そしてダンジョンの中には、地球には存在するはずがない様々なモンスター達、魔法、アイテムなどがある。


 初めて発見された当時は世界的なニュースとして取り上げられ、連日その話題で盛り上がっていた。


 しかし時間が経つにつれてダンジョンに対する恐怖心は次第と薄れていった。


 なぜならダンジョンの仕組みなどが次々と解明されていったからである。


 ダンジョンの仕組み。


 例えば俺らのような人間がダンジョンに入ると能力が使える事。


 異能はダンジョンに入った時のみ使えるが、ダンジョンから出ると使えなくなってしまう。


 そしてダンジョンにいる魔物はダンジョン外に出られないという事。


 こういった事が続々と解明されていき、ダンジョンに対する恐怖心は無くなってしまった。


 逆にダンジョン内にある資源はとても貴重であり、その資源から作られている物は人々の暮らしに大いに役立つため、今ではダンジョンがある事はとても喜ばれることになっていた。

 

 ダンジョン内にある資源といえば、治癒効果を持つ魔石や、エネルギーを無限に使う事の出来る魔石などである。


 価値の高いアイテムを売ることで、裕福な生活を送ることが出来る。


 日本政府もダンジョンの資源を重要な資源として捉えており、探索者には支援を惜しまないと掲げていた。


 やはり国力を上げる事が出来るため、ダンジョンにある資源の確保が不可欠だからである。


 普通は外国から輸入をしたりしていたが、ダンジョンの資源があることで自国で資源の確保が出来るので、新たな産業の育成も可能だ。


 こういった事もあってかなりダンジョンには助けられている。


 だがそんなダンジョンに入るには許可が必要だ。


 まあ犯罪率があがりやすいというのが懸念になっているのだろう。


 これはどの世界にも言えそうなことだ。


 なので政府は、探索者になるにはダンジョン運営省が発行しているライセンスカードを所持している人に限るとしていた。


 ライセンスカードは薄く紫色の水晶のような見た目をしたカードだ。


 ライセンスカードには自分の名前やスキルなどといった、最低限の情報しか記載されていない。

 

 こういった整備もあり、ダンジョンは世界が注目する出来事になっていた。



―――





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