悪女の娘は魔王となる
@yamamoto30
第1話
赤ちゃんの頃から意識がはっきりしていた。そして気づいたのはすでに牢屋にいた事。
母の食事は一日一回の食事なのに残飯のようなご飯だった。
兵士の会話を聞くにどうやら母は元王妃なのだとか。そして私は二人の子なのだそうだ。
なぜ母がここにいるのかというとどうやら父が新しい女性を連れてきたのが許せなかったのだとか。それでその女性に嫌がらせをしたらここに放り込まれたと…しかもその女性には私と同じ年の子があるそうだ。そして人が今の王妃だとか。
2歳ぐらいの頃母が死んだ。涙がとまらなかった。確かに嫌がらせをしたのは悪いかもしれないが悪い人には思えなかった。泣く私を怒らずにあやして母乳をくれていた母は確かに私の母だった。
それなのに兵士達はまるで汚いものを扱うかのように母を扱った。母のそばで泣く私を無理やり引きずって牢屋から引き摺り出された。初めての外の世界は眩しかった。そして引きずられていると兵士達が誰かに挨拶をしていた。
「国王陛下こちらはどうなさいますか?」
「あぁ、あの女の子供か…私には関係ない」
「さようですか」
その言葉にひどく落ち込んだ。一応は血の繋がっている人間なのに…こちらに目を向けることなくすてられるなんて。
私はそのまま引きずられて森に連れてこられた。街を通る時私の事を見た人達は自分に石を投げ罵声をあびせられた。
そしてそのまま森に捨てられ兵士達はどこかに行ってしまった。
夜の森にすてるなんてひどい。もう何日も食事をしてないせいでろくに動けないのに…これでは魔物のいい餌だ。
私は怒りが治らなかった。こんな理不尽な死なんて許せるわけない。私は倒れゆく体とは真逆に強い憎しみを募らせた。
そして私はまわりのしょうきを吸収し魔王になった。
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