舞台となるのは、魔法や異種族、魔物などが存在するが、地球からの転生・転移要素やステータスとか数値での能力表記がない古典的なファンタジー世界。
その世界で、強大な帝国に抗う訳ありの乙女と凄腕の傭兵。正に王道の戦記物です。
主人公はとても優秀ですが、1人で戦の勝敗を決めてしまうようなべらぼうな強者ではありません。
個人の武勇や指揮能力も重要だが、それだけでは勝負は決まらない。兵力と士気、作戦、更に言えば外交や策略、それら全てが勝敗を決める要素となる地に足が付いた戦が展開します。
そして、敵となる帝国は余りにも強大。安易なヤラレ役では全くありません。
果たして傭兵は抗う事が出来るのか。乙女はその目的を果たせるのか。先の展開から目が離せません。
帝国は、ただの領土拡大の野望だけにとどまらない何らかの思惑を持っている様子も垣間見えるので、今後ファンタジーらしい展開になる可能性もあるかと思います。
ファンタジー世界を舞台にした、本格的な戦記物を読みたい方に特にお勧めします。
少なくとも今のところ、主人公無双とかハーレム要素とか、テンプレっぽい展開はありませんが、そういう展開に食傷気味だ。という方にもお勧めです。