オレの知らないところで幼馴染が経験済みだった⁉︎

猫の集会

マジかよっ⁈

 癒しの時間…

 

 お紅茶に生クリームたっぷりの旬のケーキ。そしてフルーツ盛り合わせを添えて、ゆっくりソファに溶け込むわたし。

 

 お紅茶を一口飲んで昨日のエステでの至福の時間を思い出しほっこり…

 

 ほっこり…

 

「そんな暮らししたいーー‼︎」

 

「なんだよ、実夢姫みゆき…急にびっくりすんだろーに」

 

「あー、いたんだ?ショウタ」

 

 …

 

「まぁ、オレの部屋だからな。」

「あー、たしかに。」

 

 …

 

 オレの部屋に入り浸る幼馴染。

 お互い高校生だけどいまだに仲良しだ。

 

「ところでどんな暮らししたいって?」

「あー、セレブな暮らし…ってか、ひとりごとだし…」

「セレブかー…オレ、もっと勉強がんばろっと…」

「え?なんで勉強がんばるの?」

「ひとりごとだし。」

 

「ぷっ、二人部屋にいるのにお互いひとりごとばっかって、笑える」

「…だな」

 

「あ、ねぇ…せっかくだし二人でしかできないことしない?」

 

 ⁉︎

 

 二人でしかできないことって…まさか…

 

「えっ?二人で…って実夢姫…」

「うん、そろそろお年頃だし…この歳ならもうかなり…あれじゃん?わたし最近してなかったしさ」

 

 お年頃…あれって…まさか…

 

 ヤバい…どうするオレ‼︎まだ心の準備ってやつができてないぞ‼︎

 マジか‼︎

 いきなりの展開で頭ついてこないぞ⁈

 

 まずは、告白からじゃね⁇

 

 いきなりそんなことしてズルズルってのは…それは男としてのけじめがなってない気がする。

 

 ここは、告白して…やっぱりそれからだろ‼︎

 

「どうする…?するの?しないの?」

 

 えっ⁈そんな…する…しないって…

 

 もちろん、する‼︎一択だけど…

 

 実夢姫…実夢姫は、そんな軽い感じでいいのか⁇

 てか…最近してなかったって言った?

 てことは…

 オレの知らない間に…実夢姫は…

 

 …

 

 

 えぇえええぇーーー⁉︎

 実夢姫って…

 そんな軽い女だったのか⁈

 

 

 はっ……実夢姫…

 

 実夢姫は、オレの知らないところで…まさか色んな男と…まさか…まさか…あんなことやこんなこと…して…るのか…⁇

 

 

「実夢姫‼︎あの…その前に確認させて」

「え?うん。いいけど」

 

「あのー…、実夢姫は…オレの部屋に来ない時…その……何してたりする?」

「自分の部屋で勉強とか?あと、バイトだけど?」

 

 

 バイト‼︎

 

 そうだよ…冷たくて甘いやつ売ってるって言ってたよな。

 

 まさか…違う意味のお店やさんなんじゃ…

 

 てっきりオレはあの甘い美味しいやつを売ってるバイトだと思ってたけど…

 

 冷たい…からだだけの冷めた関係…ってやつか⁈

 

 それが冷たいバイトなのか⁉︎

 いまは、ちまたじゃそんな言葉が流行ってんのか⁉︎

 

 オレが知らない間に色んな言葉が常日頃開発されてるもんな…。

 

 そうなのか⁉︎

 

 そうなんかっ⁈

 あん⁉︎

 そうなん⁉︎

 

「ねぇ、眉間にシワ寄り過ぎ…大丈夫?」

 

「大丈夫なわけねーだろ‼︎」

 

「え?お腹痛いの?」

「心が痛いわっ‼︎」

 

「ん?なんて?心?心臓?」

「ちげーよ‼︎心が泣いてんだよ」

「あはは!何?急にどうしたショウタ?」

 

 …

 

 実夢姫は、なんで笑ってられるんだよ…

 

 実夢姫には、もっと自分を大切にして欲しかったぞ。

 

 

「なぁ、実夢姫…もっと自分大事にしろよ」

 

 オレは実夢姫を抱きしめた。

 

 ぼろぼろと涙を流しながら。

 

 

 あぁ、実夢姫から洗濯したあとの洗剤のいい香りがするぞ。

 

「あのー…」

「実夢姫…、実夢姫のかあちゃんが知ったら泣くぞ?」

 

 …

 

「いや、泣いてんのショウタじゃん…てか何?」

「こんな…ずっと母子家庭で頑張ってるかあちゃんがいるのに…こんな洗濯もの…いい匂いするまで洗濯してくれてんのに…実夢姫は、親不孝すんのかよ⁈」

 

「えっ…てか…洗濯してくれた服、涙と鼻水で汚してんのって…まさにショウタじゃん…?てか、洗濯わたしも手伝ってるし」

 

「洗濯か…実夢姫は、心の洗濯から始めろよ…」

 

「え?意味がわからない…どうしたの?急にさ?しりとりしようとしてただけなのに…なんかこの数分で何があった?」

 

 

 …しりとり

 

 今、実夢姫って…

 

 え?

 

 

「しりとりすんの⁉︎」

 オレは実夢姫からベリっと剥がれてぐしゃぐしゃの顔で実夢姫に聞いた。

 

 すると実夢姫は、さらっと

「うん。しないの?どうした?」

 というじゃないかっ‼︎

 

 するしないって…しりとりかよっ‼︎‼︎

 

「あー、しりとりな…うん。するか」

「待って‼︎その前になんで泣いたの?心の洗濯って何?」

 と、オレに詰め寄る実夢姫。

 

 …

 

 

 あー…どうしよう。

 オレの勘違いで…

 

 えと…

 謝らなきゃ…

 でも…

 

「泣いてなくね⁇ほら‼︎」

 と、オレは必死になって涙と鼻水を拭いた。

 

 袖で。

 

 

「きたなっ…洗濯汚しは、ショウタだよ?お母さん大迷惑だからね」

 

 と、…お説教された。

 

「はい…あの…それで……オレ正直いうと…勝手に脳内暴走して…結果実夢姫が大好きだと判明いたしました。」

 と、白状した。

 

 すると実夢姫は、

「うん、わたしもショウタが大好きだよ。」

 とオレにハグしてくれた。

 

 

 そしてオレはこの日、心に決めた。

 

 なにがあっても実夢姫を一生オレが守ると。

 そして、実夢姫が泣いていたら必ず抱きしめて救ってあげたいと。

 

 

「ありがとう、実夢姫。で…さっきの妄想だけど…」

 と、詳しくすべてを白状いたしました。

 

 そしてきちんと謝りました。

 冷たくて美味しいものを売ってるお店屋さんにも心でお詫び致しました。

 

 すると…

「いいよ、勘違いなんてだれでもあるよ」

 と、実夢姫はオレをキスで浄化してくれたのでありました♡

 

 

 

 

 

 

 おしまい。

 

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