第20話 秘密
「どうりで……だから、たまに口調が悪い時があったのね。
そして、レベル2の貴方の強さの秘密は
これなのね! 納得してわ」
「そう言う事です。
では、目的であるオークの会話を聞きましょう。」
「そうね。」
しかし、そこにオークの姿は無くなっていた。
3人で色々としている間に、いなくなってしまったみたいだった。
「居ないなら仕方ないですね……
諦めましょう。」
「嫌よ! 我慢して、こんなダサい服を着ているのだから。
他の魔物でも良いから何かモンスターの言葉を聞かせてちょうだい。」
「いまは、オーク以外の言葉は聞けません。」
「あまり役に立たない能力ね……」
「はっあ!? なんて言ったテメー!!!
俺様を役に立たないだと……
ドクロのロゴを大きくして、辱めてやろうか!!!」
「…………やめて下さい……」
「もっと、大きな声でーーー!!!」
「やめめください!!!」
「分かれば良いんだ!」
まぁ、本当にやる気は無いけどな……
ここは、俺のベスポジだ!!!
誰にも譲らん……
*
それから、色々と話し合いは終わり……
フィンの提案により。
獣人族に、この事を知らせる為に彼らの村を目指す事になった。
*
「話を聞いて下さい!!!」
「ふざけるな! 人間が、この村に何の様だ!」
「また、子供でも攫うつもりなんじゃねーのか!!!」
「そんなつもりは、有りません!
話を話を聞いて下さい。」
「帰れ! 帰れ!
お前達の話など聞かん!!!」
「あんまりシツコいと、子供だからと言っても容赦はしないぞ!!!」
「……分かりました」
「ダメよ! フィン……
貴方達の村が、今夜オークに襲われるの。
だから、逃げてちょうだい!」
「……けッ! 何かと思えばオーク如き返り討ちにしてやるわ!!!
要件は、分かったから……もう行け!!!」
「……行きましょう。アイリスさん」
そうして、俺達は獣人族の村を後にした。
*
*
*
「とりあえずは、注告はしましたし。
大丈夫だとは思いますが……
オークより獣人族の方が強いので、舐めない限りは。」
「そうだと良いのだけど……」
「……多分、ダメだろうな。」
「何故!? そう思うのですか?」
「オーク達だって、自分達より。
獣人族の方が強いと言うのは百も承知だ!
それが、奇襲くらいで覆るとも限らないし……
何か他に策があるから挑むんだろう。」
「なら、助けなきゃ!!!」
「しかし、あそこまで拒絶されては協力関係と言うのは難しいかと……」
「それでもよ!」
この時、フィンとアイリスは思った。
こう言う時のドックは、冷静というか冷たく……
あまり人の為に、動く様な性格では無いという事を
「ドック……まさかとは思いますが、見捨てるなんて事はないですよね。」
「た……確かに、私達の行為を無碍にしたのは獣人族の方だけど……
分かっていて見捨てるのは違うと思うんだけど、てか! 見捨てちゃダメよ!!!」
「そうですよ……ドック! 損得ではなく心で動きましょう。」
「はぁ!? 何言ってんの? お前達……
心……? 心?
そんなもん決まってるだろ!!!」
「いや、しかし……」
「そうよ! 気持ちは分かるけど……」
「絶対に、助けるに決まってるだろ!!!」
「いや、ドック……考え直して!?
あれ!? 助けるんですか?」
「当たり前だろ!!!
猫耳、ウサ耳、獣っ子達のパラダス……
俺様が、そんな子達を助けないはずないだろ!!!」
「とりあえず、よく分かりませんが……
それなら、良かったです。
で……助ける為の作戦は、どうしますか?」
「そうだな……俺達がオークに変身して村を襲っても舐められるだけだし。
他に、良い方法は……」
「オークより! 強い魔物には変身できないの?」
「オークより。強い魔物……
良い事を思い付いた!!!」
*
そうして、俺達はオークの奇襲が始まる前に
作戦を開始した。
*
「きやゃゃーーー!!!」
「助けてーーー!!!」
「とりあえず、子供と女を避難させろ!
戦士達は、俺に続け! アイツを足止めする!!!」
「分かりました!!!」
「クソッ……なんで! あんな化け物が村を襲うんだ!!! 攻めてくるのはオークじゃないのか……」
「あの人間ども嘘を吐きやがった!」
「今は、そんな事はどうでも良い! 避難が最優先だ!!!
じゃなきゃ……この村は、終わる。」
「分かりました。急ぎましょう……」
*
「…………あんた達、何なの……?
これって、スケルトンじゃない!?
オークより弱いじゃないのよ。」
「まぁ、聞けよ! アイリス。
俺は、今から風魔法と浮遊のスキルそれに、念動力のスキルを習得する。
そして、その力を使って空から獣人の村を奇襲する。
すると! 奴らの目には、俺たちの事はどう映る!?」
「……空飛ぶスケルトン?」
「いや、リッチですね。
最近ダンジョンに現れた! リッチの噂は獣人族にも届いているはず……」
「ならば、あいつらが取る行動は……?」
「オークなら戦うけど……
相手がリッチなら、選択肢は逃げる一択になる。」
「そういう事!」
「でも、それだと……多分。
女性と子供を逃して、獣人族の戦士は足止めに交戦に出るわよ。」
「それが狙いだ!
女と子供を一か所に集めて! 俺の防御結界で閉じ込める。
すると! オーク達の奇襲から守る事が出来るって寸法さ。」
「それだと、戦士……男性達は守れないのでは?」
「はぁ!? 何で男なんか守るしかねーんだよ。
俺が守りたいのは、女の子達だけ! 子供はついでって事だな。」
「それって、冷たくない!
守れる力があるなら、皆んな守ってあげたら良いじゃない。」
「知らん!
どーせ、言っても戦士は戦うんだ!
だったら無理に止めないで、好きにやらせるのも良いんじゃねーのか。」
「確かに、それも一理ありますね……
では、その作戦で行きましょう。」
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