第3話 望み
名前 無し レベル1
HP 1000
MP 1000
守備力 500
インテリジェンスウェポン(服)
スキルポイント 100P
スキル 無し
ユニークスキル 【大賢者】 【捕食者】
「……これ、強いのか弱いのか分からないし。
敏捷性や攻撃力が無いってことは、自分自身では戦えないのか?
でも、HPやMPがあるって事は魔法は使えるだろし……死ぬ事もあるって事だよな。
分からない事だらけだが、とりあえず何かしらのスキルを習得してみよう。」
俺は、習得出来るスキルの一覧を見てみると
*
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鑑定スキル
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「おお! これは、このスキルが有れば自分がどのくらい強いか他者と比較が出来る。
とりあえずは、あって困らない能力だ習得してみよう」
『スキルポイントを使い鑑定スキルを習得しますか?』
「YES!!!」
何処かで聞いたセリフだな……
『鑑定スキルを習得しました』
「やったー! 鑑定スキルを習得した。
細かい事は気にしないで、他に良いスキルは……
物理耐性もあるぞ! とりあえず習得と……
熱伝導耐性は、必要だよな!
これも習得と……それから自己修復!
これは、もしも破けてしまった時に必要不可欠。
後は、クリーニング……服として清潔でキレイである事は、1番大事だ!!!
他にも良いスキルは……」
俺は、片っ端から必要そうなスキルを習得していった。
そして……
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身体操作
*
「こ……これは、体を動かせる様に
なるスキルか! 是非欲しい!!
今すぐ欲しい!!! 身体操作を習得っと……」
「身体操作を習得しますか?」
少し言葉を変えてみよう。
「もちろんさーーー!」
『身体操作を習得しました』
「よしッ! これで、体を動かせる様になったはず……」
怪しまれない様に、少し体を動かしてみる事に
「………………………………………………あれ?
全く体が動かないぞ!? どう言う事だ?」
『そのスキルは、装備した対象者を操作する物です』
「…………ふんッ……しくじったぜ!!!
だが、まあ良い。
他に、何か良いスキルを探す事にする。」
そう! こう言う時に1番大事なのは、焦らない事。
俺は、そう思い他に良いスキルを探すことに
「…………そうだ!
こう言う時は、念動力だ!!! 念動力を習得!」
『スキルポイントが足りません』
「なにーーー!!!」
俺は、少し焦りながら
「自分で、動けないのならば……」
他者に装備して貰う他ない。
「他者に装備してもらう為に大事なのは、会話だ!!!
会話さえあれば、敵同士だって和解出来る。
念話だ!!! 念話を習得する!!!」
『スキルポイントが足りません……』
「…………。」
ヤバい!!!
調子に乗って定番スキルを習得し過ぎ……
大事なスキルをおろそかにしてしまった。
「…………ふぅ〜」
まぁ……こう言う時、普通の人は焦るよな普通! が
しかし! 俺には、大賢者様と言う強い味方が付いている。
「大賢者! 人とコミニケーションをとる様なスキルか体を動かせるスキルを探してくれ!」
『スキルポイントが不足している為、該当するスキルは御座いません。
レベルを上げるか魔石の吸収を推奨します』
「…………」
おぉぉぉノォぉぉぉーーー!!!
しくじった! 完全にしくじった!!!
完全に振り出しに戻ってしまった。
仕方がないので、俺は購入してくれる人を待つ事にした。
*
*
*
*
春が過ぎ……
夏が過ぎ……
秋が過ぎ……
冬が過ぎ……
またもや衣替えのシーズンがやって来た。
俺の周りからは、厚手のコートが消えて薄手の羽織が目立つ様になった頃……
「…………全身タイツって、どのシーズンに適した服装なんだろう?
じゃねーよ! どのシーズンにも合わねーよ!!!
頼む誰でも良い! 何なら魔物でも良い!
オラを……オラを買って着てくれ!!!」
頼む……このままでは、暇すぎて死んでしまう。
今現在の俺の娯楽と言えば、店に訪れた人を鑑定してステータスを覗く事と、叔母様達の世間話を聞く事……
「もぉおー! 嫌だ!!!
何処のお店の野菜が安いとか
そんな事、食事を必要としない服には関係ない。
知っても意味がない!
誰か《助けてくれ》》ーーー!!!」
すると……
衣替えの為に、服を入れ替えていた店の親父が俺を手に持つと
「この服……ずっと、あるよな!?
俺は、こんな趣味の悪い服を仕入れた覚えはないぞ!?」
「オヤジ! そんな事言うなよ。
長い付き合いじゃないか!
何ならお前が俺を着ても良いんだぜ!!!」
「……置いといても、どーせ売れないし。
こんな物を置いてると趣味が悪い店と思われるかもしれん。
値段も銅貨一枚で売れないなら誰も買わないだろうし……捨てるか。」
「えっ!? 銅貨一枚? 俺って、銅貨一枚の値段なの?
分からないけど……
それって、きっと高いんだよね!?
日本円にしたら一万円くらいは、するよね。
最低でも千円くらいは……」
すると、店の主人は全身タイツの服を丸めると外へと持ち出した。
「待ってくれ! オヤジーーー!!!
頼む! もうわがままは言わないから店に置いてくれー!!!
銅貨一枚だぞ! ほぼタダみたいなものじゃねーか!
絶対売れるって、何ならスラムの人にでも売れば良いじゃねーか!!!」
しかし、その声は全く届かなかった。
そして、路地裏に捨てられた全身タイツは
スラムの人にも拾われる事もなく……
ただただ風に乗り広野へと飛ばされて行った……
「ゔゔぅ……何で、誰も着てくれないんだ。
銅貨一枚だぞ……てか……捨てられてるんだ。
タダだぞ! タダ!! 誰か拾えよ!!!」
こうして、俺は本当に魔物にでも着てもらうほかなくなってしまった。
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