第32話対戦参加
「そういえば」
皆で座って休憩をしていると、レイアが水筒を渡してくれながらこちらを見る。
「ん?」
「俺、魔法対戦の参加が決まった」
「私も、先生から、参加の決定を教えていただきました。これも、シュン君のおかげです」
ライナもにこやかに笑う。
「そっか。二人とも、頑張ってね」
僕は、二人に笑いかける。
しかし、二人とも、すごく不思議そうな顔をしていた。
「えーと、シュン君は出ないのですか?」
「え?何も聞いてないけど?」
「いやいや、お前が出ないとか、絶対無いから」
レイアも凄く不思議そうな顔をしているけど、実際何も聞いてないから。
「1年だからじゃない?けど、絶対に応援に行くから。二人とも頑張ってね」
「もちろんです。決勝まで行って、私の師匠はシュン君だと、胸を張って言ってやります!」
「俺もだよ。ライナには負けないからな」
「レイアには負けません」
二人の間に、火花が散っているように見えるのは気のせいだろうか?
「今なら、ライナにも絶対勝てると思うんだよな。なぁ。ライナ」
「私も勝てる自信はありますよ」
「なら、より上位に行った方が、シュンとキスするなんてのはどうだ?」
「はい?」
僕が、思わず返事をするも。
「そ、、、それなら、それなら絶対に、絶対に負けません!」
「キスはもらった」
完全に無視される。
えーと。完全に僕を無視して話が進んでいるんだけど。
僕、何も言ってないけど。
狩りの間の休憩のはずなのに。
やけに、風が冷たく感じてしまった。
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