とある冬の黙示録
ハルシ
プロローグ 拾った手帳
これは、僕達の体験した去年の冬の記録だ。僕達の時代の技術では証明できなかった現象を、ここに書き連ねていく。
もし、これを読んだ人がいるのなら、どうかこの手記の内容を役立ててほしい。
あの現象が繰り返された際に、悲劇を防げるように──。
✱✱✱✱✱✱
僕が下校中に拾った手帳の1ページ目には、そんなことが書かれていた。パラパラとページを捲ってみると、1人称で進行する小説のようだ。
『あの現象』という文字に惹かれた僕は、家に帰ってゆっくりと読み進めていくことにした。
主人公は僕と同じ中学2年生。名前は、
家に帰った僕は自室のクッションに座り、手帳の2ページ目を開いた。
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