初仕事
「役………ですか!?」
「はい、そうです!いきなり何ですがそれがこの事務所の仕組みでして。とにかく、役を募集している劇や出られるステージにどんどん所属タレントを送り込むのがこの事務所のやり方です!」
「わかりました。それで、劇ってどんな感じなんですかね?」
正直驚いた。確かにスターマーカーほどの巨大事務所ともなれば仕事がたくさんあるのは当たり前だ。でも、まさか今すぐ応募できる仕事があるなんて。スターを目指している俺からしたらこんなに嬉しいことはない。
役になりきれないとびびっているわけでもひよっているわけでもない。そうじゃなくて、あまりの環境の良さに驚いて、マネージャーに何度も聞き直してしまった。しかし何度も聞き直しても、マネージャーは同じことしか言わなかった。
「今応募できる仕事は2つあります。2つあるにはあるんですが、どちらとも劇なので両方を選択というのは出来ません。なので、この2つのうちどちらか1つを選んでください。」
マネージャーはそう言って、白黒のポスターを渡してきた。
片方には、「戦争難民」
もう片方には、「クリスマスだけの靴屋さん」
と書かれていた。
「なんていうか、かなりジャンルが………」
「まったく作風は違いますけど、どちらか選んでいただきたいです!お願いします!」
片方片方ポスターを何度も見返した。
記念すべき初めての仕事………後悔しないように、自分に合った劇をしたい。決めろ、決めろ、決めろ、
「ん?あの、モンシニさん。こっちのポスターの上に書かれてる名前って、」
「いいところに気付きましたね!そうです、かの有名なあの、ルイ・ウィートンさんですっ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます