国境線が曖昧なんで、隙間に建国しちゃいます
まりも緑太郎
【プロローグ】ある貴族の日記から
11月、王都から領地へ帰る馬車の中にて。
昨日までの5日間、王都にて定例会議あり。
【王家十九席】は全員が出席(モントローズ侯爵家はナオミ婦人が代理、異界人はやはり美人)
4日目の会議にて、カンバーランドの存亡に関わる様な大厄災が2年後に迫っている事を知る。
様々な宗派の僧侶や、幾人の占い師の九割が、大厄災は約2年後に起こると予言したらしい。
「セカンドオピニオン(笑)」
とナオミ婦人が自嘲気味にボソリと呟いた。
異界人の言葉には、意味のわからない単語が時々混ざる。
大厄災の具体的な内容は明らかにされず。魔物の大量発生なのか、他国の侵略なのか、あるいは予想もつかない物なのか。
どうにか王都やその周辺の裕福な貴族の領地だけ被害を受けてもらえないかと切に願う。
翌日は会議最終日。
召喚の儀が行われる。
【王家十九席】の誰かが錬金術で作った人体に、また別の【王家十九席】の誰かが異界から魔術で呼び寄せた魂を入れるっていう儀式。
(50年ほど前に確立された技術で、口伝による伝承しか許されていない。また、王城でしか使用が許されず、技術を持つ両家さえ、もう一つの家が誰かも知らない)
技術の伝承のため、十年に1〜2人召喚してきたらしいが(ナオミ婦人は20年前の被害者)今回はなんと一気に18名。召喚された異界人は美男美女だらけなので、玉座の間に揃った時はなかなか壮観な景色であった。
この後の異界人を交えた会見の模様は、我々【王家十九席】の沽券に関わるので記さないが、色々あって異界人のうち3名を我が領地に連れ帰る事に決まった。
正直、面倒ごとに関わりたくは無かったが、ナオミ婦人のところに引き取られた3名よりはだいぶマシと諦める事にする。
ナオミ・モントローズ侯爵婦人に幸運が訪れる事を祈りたい。
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