第23 苦戦するオリバたち
一方オリバたちのパーティ。
ソータたちよりも先にダンジョンの奥に進んだオリバたちは、ダンジョン内の魔物に苦戦を強いられていた。
襲ってきた魔物はゴブリンやハイウルフ、そしてゴブリンより一回り大きなハイゴブリンだった。
いつもなら簡単に倒せる魔物たち。それだというのに、いつまで経っても魔物の数が減らない。
そんな現状を前に、オリバは苛立ちを隠せないでいた。
「リリス! 早く魔法を打てよ!!」
「そう言うなら、魔物の動きを止めなさいよ! あんた前衛でしょ!」
オリバが魔物たちを食い止めながらリリスに命令をするが、リリスはオリバとロードが抑えきれなかった魔物の処理に追われており、大きな魔法を打つための魔力を溜められずにいた。
「オリバ、こいつら妙に強くないか⁉ 一撃が重い気がするぞ!」
「クソッ! 何がC級ダンジョンだ! 冒険者ギルドの連中、適当なこと言いやがって!」
オリバは焦るロードの様子を横目に見ながら、目の間にいる魔物を怒りに任せて斬りつける。
しかし、オリバの刃は途中で止まって、魔物の肉に食い込んでしまった。
「クソったれが!!」
オリバは刃が途中で止まったことに苛立ちながら、刃を引き抜くために魔物を雑に蹴り倒す。
「はー、はー……おい、ナナ! おまえ支援魔法も使えただろ! 俺たちにかけろ!」
いつになく戦闘で疲れを感じたオリバは、息を切らしながらナナにそう叫んだ。
しかし、ナナは魔物から逃げるようにしながら、キッと強くオリバはを睨む。
「と、とっくに使ってますよ!」
「はぁ? これで使ってるだと?」
オリバはいつもよりも体が重いのに、支援魔法が使われているという現状が理解できずにいた。
それもそのはず。
ナナが使っているのは現代魔法の支援魔法。ソータが使う古代魔法の支援魔法に慣れてしまった体は、ナナの支援魔法では満足できなくなっていた。
体が重くなくなって調子が悪いのではなく、軽くなくなっただけなのだが、誰もその事実にも気づけていなかった。
「オリバ! 魔物たちが強すぎる! ここは、一旦退いて――」
ロードが大声でオリバに呼びかけたとき、オリバたちの間をかいくぐるようにして三つの影が現れた。
「『一の型、白蓮』」
「『火球』!」
急にオリバたちの前に現れた影たちは、目にもとまらぬ速さで魔物たちを斬りつけたり、炎の玉を自在に操ったりして魔物たちを軽くあしらった。
オリバの前にいる魔物たちを倒してから、突然現れた三人組はオリバたちの方を振り返る。
「……は?」
そこにいたのは、他でもない余裕の表情をしているソータたちだった。
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