子湾小春さんとのコラボ【狐狸妖怪】
「み、皆さん。こんにちは。こ、この度バーチャルYoutuberを名乗らせていただくことになったまきチャンネルと……」
「あ、アニマリ二期生の、子湾小春です。この度は、このような場を設けていただき、まこっ、誠にありがとうございます」
コメント
・きたー!
・やべぇ、緊張してるまきちゃん可愛い
・……まきちゃんって誰?
・↑個人勢のVtuber。調べてみると面白いよ
・子ワンコちゃんやっぱり緊張している
・↑前のコラボの時もこんな感じだったな
・めっちゃ噛んでたw
・アニマリ勢としては感慨深いものがある
・初々しいね
・そういえば、まきちゃん初コラボか
・初めては狐野妖香ちゃんのものだと思ってたのに……
・↑実質コラボしているようなものだから……
・なんか、まきちゃん知ってる人多くない?
・↑狐野妖香ちゃんと言えばまきちゃんだからな。
・↑子ワンコちゃん→アニマリ二期生→狐野妖香ちゃん→まきちゃんの図が出来てるんだよなぁ
・↑子ワンコちゃんとまきちゃんは遠い親戚のようなものなのか
僕は今、子湾小春さんとコラボをしている。約束通りに狐狸妖怪を一緒にプレイすることになったのだ。
……でも、僕はまだ緊張していた。始まる前は普段の配信のようにコラボをするなんて余裕だと思っていたけれど、いざ始まってみると頭が真っ白になってしまったのだ。小春さんと視聴者さん。両方を意識していくのはとても大変。
それでも、頑張らなくてはいけないのが配信者だ。僕のことを応援してくれている人たちの期待に応えなければならない。それに、これは僕にとって初めての大きなイベントなんだ。失敗できない。
コメント
・実写背景じゃないまきちゃん珍しい
・ゲーム画面の右下にまきちゃんがいて可愛い
・お洒落なスタート画面だな
・いかにも妖怪が出てきそうな色使いが美しい
・まきちゃん巫女服だから謎のシナジーが発生しているぞ
・なんか、雰囲気あるわ
「あのっ、小春さん。今日は楽しい配信にしましょうね」
「あっ、はい。私もより良いものにできるように精一杯努力しようと心がけたいところであります」
小春さんが頭を下げてきたので、慌てて僕も頭を下げる。
コメント
・なんだか似た者同士だな
・どっちも敬語キャラなんだ
・↑二人がコラボするまで気づかなかった
・Vtuber同士のコラボって、こうした意外な共通点を見つけることが出来て面白いよな
・二人が良い関係を築いているみたいで安心した
・俺も混ざりたい
「今の僕は初めてのコラボで緊張しちゃっていますけど、それだけではないんです。今まで相手が居なくて二人プレイできなかった『狐狸妖怪』を遊べるというだけで凄く嬉しいんですよ」
「奇遇です、私もそうなんですよ。仲間と一緒にプレイするのってやっぱり良いものです」
マイナーゲームの通信要素は無駄になりやすい。数多くのゲームをプレイしてきて学んだことだ。せっかく通信できるのに、相手を見つけることが困難なゲームに何度遭遇したことか。そのたびに僕は歯がゆい思いをするのだ。……でも、今回は違う。小春さんと一緒に、通信プレイすることが出来るのだから。
コメント
・分かる
・友達と一緒に遊ぶと全然違った面白さがあるよね
・俺も一人用ゲームを誰かとやりたい時はよくオンライン対戦してる
・昔はオンラインがないのが当たり前だったからなぁ
・今は気軽に出来るもんなぁ
・オフラインでも十分楽しめるんだけど、やっぱ一緒に遊んだ方が盛り上がるよな
・二人で協力しながらゲームするって楽しそう
「それじゃ早速プレイしましょう……と言いたいところですが、少しだけ僕に説明させてください。狐狸妖怪は様々な要素のあるゲームなのですが、今回は戦闘を重視したプレイをしたいと思います。モンスターを倒して素材を手に入れて、強い装備を作ったりバフ効果のある料理を作ったりしてパワーアップしてからさらに強いモンスターを倒すといったループをしていくことが基本になりますが、今回はコラボという事でお互い最強装備で作中最強モンスタ―を倒すことにしました」
コメント
・また早口来た
・早口助かる
・……少しだけ?
・すげぇ、ここまで一度も噛まずに言い切ったぞ
・さっきまでの緊張はどこへ行ったのか
・もう緊張は解けた?
・子ワンコちゃん困惑しているぞw
「えっと、とりあえずやってみましょうか。小春さん、早速クエストを受けちゃいましょう」
「その前に、料理はいかがでしょうか」
「あっ、忘れてました。料理は忘れがちですよね」
僕はスタートボタンを押しゲームを始める。そして、ゲームの中で小春さんと合流してから一緒に料亭へと向かい、料理を選んで食事ムービーを眺める。今回は初めての配信なので、視聴者さん達にも効果が分かりやすいステータス上昇系の料理を選んだ。
コメント
・まきちゃん、好きなゲームを始めたとたんに緊張が解けたぞ
・↑子ワンコちゃんもそうじゃないか?
・↑やっぱり似た者同士だったか
・この二人、本当に息ぴったりだな
・仲良しかよ
・まきちゃんの操作キャラ可愛い。
・黒髪ロングの美少女だ
・狐っぽい耳が付いているけど、これ本物?
・↑いや、ただの飾りだろ。
・まきちゃんは和風な見た目なのに、使用キャラは西洋風だな
・小春ちゃんはイメージ通りのキャラだ
・料理美味しそう
・なんか、絵面的にシュールだな
「よし、ようやく僕のキャラが料理を食べ終えました。早速クエストに行きましょう」
「道具の準備は済んでいますか?」
「……あっ、回復アイテムを忘れていました。準備するのでちょっと待っていてください……よし、準備完了」
「……あの、すみません。傷薬を忘れているのでは?」
「それはいらないよ。継続回復のブルーハーブを使うからね」
「ブルーハーブは回復量が少なく扱いが難しいはずです」
「……でも、今回戦う相手に傷薬を使う余裕はないよ。このゲームでは道具を開いている間画面が見えず敵が動き放題だから強敵との戦いにはブルーハーブが最適解です」
「……奇遇です。実は私も回復はブルーハーブを中心としたプレイをしています。まあ、傷薬も念のために持っていきますが」
「僕はその枠に手裏剣を入れて少しでもDPSを稼ぐけどなぁ……」
コメント
・お互いに凄い早口だな
・……もしかして、配信中であることを忘れてらっしゃる?
・好きなゲームに熱中しすぎるまきちゃんと小春ちゃんのコンビてぇてぇ……
・↑確かに
・二人の会話を聞いているだけで面白いな
・まきちゃんの早口はいつものことだけど、小春ちゃんの早口は珍しい
・オタク特有の早口助かる
「それじゃあ、行きましょう!」
「了解です」
僕たちは町を出て、森へと向かう。今回の目的は最難関エリアである『暗黒龍の山』のボス『完全暗黒龍』を倒すこと。
「それでは、最速を狙いましょうか。道中の敵と素材はスルーしてどんどん行きますよ」
「了解です」
僕達二人は森の中を突き進んでいく。道中で出てくるモンスターを無視しながら、最短距離で『暗黒龍の山』の頂上までたどり着いた。そして、僕たちはブルーハーブを飲んでボスに備えた
コメント
・おっ、着いたか
・いよいよ決戦か
・俺もいつか行ってみたい
・めっちゃ楽しみ!
「……来ました」
「……ようやくですね」
僕らの前に現れたのは、黒いオーラを放つ巨大なドラゴン。全身が漆黒に染まった鎧に包まれている。
「それじゃ、始めましょうか」
「ええ」
僕達は急いで暗黒龍の背中まで走り抜ける。……背中までたどりついたとたん、ドラゴンの口から黒いブレスがさく裂して辺り一面が焼け野原となる。安全なのはドラゴンの背中だけだ。
「何度も暗黒龍と戦った僕達なら余裕で回避できるんですけど、これ完全に初見殺しですよね」
「……まきさん、ここがDPSの最大の稼ぎどころです。ドラゴンがこちらを向くまでコンボを続けましょう」
「了解です」
コメント
・初見殺しはやめてw
・まあ、初見殺しだよな
・↑まきちゃん、冷静に対処できてるじゃん
・初見で倒せるもんじゃないよな
・このゲーム、そういう要素が多いんだよね
「この時が一番気持ちいいんですよね」
「ゲージがたまった。スタン欲しいです」
「了解。必殺ハンマーヘッドクラッシュ
「スタン助かります。これで覚醒までの時間稼ぎが出来ますね」
「おお、小春さんは覚醒の使い手ですか。玄人ですね」
僕は巨大なハンマーを武器としているため、敵をスタンさせるのが得意だ。素手で戦わなければならない覚醒使いの小春さんとの相性は抜群のようだね。
コメント
・もう、早口が基本になりつつある
・熱中しすぎで草
・ゲーム熱中コンビ
・滅茶苦茶集中してるじゃねぇか
・二人が楽しそうで何より
「ああ、こっちを向いちゃいましたね」
「ああ、ここからが実力の発揮しどころ」
僕達が攻撃を開始すると、暗黒龍が雄たけびを上げて暴れ始める。素手の小春さんでは攻撃を受け止めるのは難しいので、僕がハンマーで防ぎつつスタンを狙う。……あっ、短時間スタンが入った。この短時間スタンは僅かな間しか相手の動きを止めないのであてにならないが、この後長時間スタンが入る前触れとなっている。その時に小春さんと連携攻撃で攻めていこう
「そろそろスタン来ますよ」
「いえ、もうスタンは来ています」
素手の小春さんが短時間のスタンに合わせて飛び込んできた。素手の連撃でコンボとダメージを稼いでいく。でもそれじゃ、ドラゴンが動けるようになった後に……うそっ!
小春さんのキャラが神回避を行い至近距離からのドラゴンの攻撃を紙一重で避けていく。……あっ、そうか。さっきの連撃で極小スタンのゲージをためていたんだ。それで、今の攻撃をギリギリ回避可能となったわけか。でもさ、それって普通はできないよね。一人プレイじゃ今の動きの練習できないし。……まさか、小春さんは練習なしの一発で今の動きを決めたのかな。そんなの、僕でも無理なのに……
コメント
・おぉー!
・すげぇ!!
・これは凄い
・わんちゃんかっこよく見える
・……小春ちゃん、強すぎない!?
・俺もこんな動きしたい……
・↑それは流石に無理だろw
・このゲーム、ほんとやり込み要素が半端じゃないな
「まきさん、準備完了です」
「了解です。じゃあ、行きますよ!」
僕は暗黒龍の背後に回ってから、必殺ハンマーヘッドクラッシュを繰り出す。それにより大きなスキが生まれたので、小春さんは背後から強烈な一撃を叩き込む。そして、さらに連撃を繰り出し続け……ついに、ドラゴンは地面に倒れ伏して動かなくなった。
「やったあ!」
「ふう、終了です」
コメント
・えぇ、マジかよ
・二人とも動きがやばいな
・まきちゃん、激しく動くドラゴンにあんなに遅い攻撃を当てるなんて……恐ろしい子
・子ワンコちゃんも絶妙すぎるタイミングでカウンターを決めるとか本当に人間なのか?
・二人で協力しているとはいえ、ドラゴンを瞬殺か
・やっぱりゲーム好きのオタクのコンビは強いわ
「よし、クエストクリアですね。時間は……たったの3分?」
「はい。ダメージから暗黒龍の体力を計算してみましたがいつもと変わりがありませんでした。おそらくこのゲームは協力プレイでもモンスターが強化されない仕様のようですね」
「そうみたいですね。それにしても、すごい達成感でした。まさか一人プレイではありえない討伐タイムを出せるとは思わなかったです」
「はい。協力して戦うのはやはり楽しいものですね」
「うん、そうですね」
コメント
・おい、この様子だとまた二人でコラボするんじゃないか?
・てぇてぇ
・まきちゃん、可愛いw
・小春ちゃん、嬉しそうだな
・これは期待できそうな予感
・みんな、ヤバいぞ。調べてみたら、今までの二人プレイ『完全暗黒龍』世界最短記録が5分だったぞ。二人の記録はそれを大幅に越している
・ファッ!?
・初コラボで世界記録か。……やばいな
・まきさん小春さんコンボ最強
「みなさん、今日はありがとうございました」
「……まだ、終わるには早いと思います」
「!?」
突然小春さんが攻撃してきた。……そして、回復薬をこちらに渡してくる。
コメント
・えっ、どういうこと
・この展開は……まさか
・予想外
・なんだこれ
「ちょっと、待ってください。なんですか、この状況は」
「……まあ、こういう事ですね」
そう言って小春さんは構えを取る。
「どっちが強いか、試してみましょう!」
「えっ、このゲームそんなことも出来たの?」
小春さんはうきうきとした様子で僕に戦いを挑んできた。
コメント
・どういうことだ
・どうなってるんだw
・これは一体……
・これからまきvs子犬の対決が始まるのか?
・そういうことだろうな
・何がどうしてこうなった
・とりあえず、見てみるか
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます