三人称視点と一人称視点
【三人称視点】
「うそ、どうして? 私、いきなり強くなった?」
実のところ、モンスターは勇者からの攻撃を浴び続け命からがら逃げ
そんなことは
【一人称視点】
普段は男の人と一緒じゃないと倒せないけど、逃げて背中から攻撃されるのは嫌。それに何でなのか、動きがゆっくりに見える。決めた、試しに一撃……入れてみよう。
「うそ、どうして? 私いきなり強くなった?」
何これ、意味分かんない! 私、女の子の中でも一番力弱いし、どうにか少しでも
これは、お父さんやお母さんに話さないと! そうだ、素材も忘れず
【思うこと】
三人称視点のメリットって、場面の人物が「知らない」ことにも言及できる点だと思います。
また、あまり良い書き方ではありませんが時系列をある程度は行き来してもセーフかな感あるのも好き。
この内容のまま「一人称」の方で勇者云々に触れてしまうと、
①この話は少女が勇者と出会った後に思い返す回想
②少女は謎に未来視できたりモンスターの死因まで洞察するヤベえ奴
の、どちらかに固定されてしまいます。多分。
一人称のメリットはやっぱり、感情や動きをダイレクトに伝えることが出来る点かも。
三人称だと「驚嘆の念を覚えた」「嬉々として報告」で済ませる部分を当人の目線で書けるのがシンプルに楽だな、と思ってます。
(ただ「三人称なら感情を伝え辛い」なんてことはなく、拝読していると三人称視点でも細やかな心の機微や瑞々しさを表現する方も多く見受けられます)
【SNSでお話して気になった点】
三人称視点の作品の方が〝格式高く〟見える、という言葉を割と最近、目にしました。
その時は「なるほど、確かに?」と感じたものですが、ふと今日「そうでもないのでは?」と思い直しました。
・緩慢な動作の
・動きがゆっくりに見える
前者の方が
でも、これって「なら三人称にしたろ!」というよりは一人称の
【結論】
無理をしたり、肩肘張ったり三人称に固執せずにリラックスして書ける手法をとった方がストレスフリーな気がします。
その上で、作中の人物が誰一人として知り得ない知識や情景も織り交ぜたい時は三人称視点、便利です。
【これはキツい例文】
私は嬉しい気持ちで村に向かって歩き出した。思わず顔がニヤけてしまうのが自分でも分かる。モンスターの動きがちょっと変だったのが引っかかるし、当たり所が良くて致命傷を与えたのかもしれない。でも、何にしても一人で強敵を倒したことは変わらないよね。
「素材、いくらで売れるかなぁ。お父さんにギルド連れてってもらわないと」
喜び勇み軽快な足どりで村の入り口に差し掛かる彼女は、ふと真相に辿り着く。
自身が仕留めたモンスターは、直前まで勇者と交戦した個体であり既に虫の息だったと気付くのである。
(実際キツい部分)
一人称視点で進めていたのに、唐突に「彼女は」と地の文で言い出すのキツい。
「私」の性別が(口調から察することが出来ても)男性か女性か明確な説明がなくてキツい。
「私」と「彼女」が同一人物なのか別々なキャラクターなのか、同一ならば何の脈絡もなくモンスター弱ってた真相に辿り着いちゃうのキツい。
やってる人はあまり見かけませんが一人称と三人称を混ぜるのは、よっぽどよっぽど特別な事情がない限りは非推奨かなと思いました。
(追記)
ちょっと分からなくなってきました。たくさんの書籍を発行しているプロの作家さんがSNSで「一人称視点と三人称視点は基本的に同じもの、深く気にすることもない」的なことを仰っていたんですよね。
一つのエピソードの中で混ぜるのも
ただ、知り得ない情報を書くには三人称視点が良いと思うんですよねー。例えば舞台や時代が異世界とか江戸時代という作品で「令和の日本では○○が」という内容について言及したい時って、一人称視点だったら「令和から転生してきた人」「令和から江戸にタイムスリップしてきた人」がいないと描写できない気がするんですよ。
訳知り顔で異世界人や江戸っ子が「令和の渋谷は」とか言い出すと「なんで!?」って感じますし。
楽しく書ければ
難しいですね、創作。
(備考)
「最近目にしました」の時期は2024年4月、その時に少しSNSでお話する機会がありました。
この備考を書いている同年5月現在、視点の話が俄にホットなトピックとなっているように見え「色々な考え方の人がおられるなぁ」と静かに見守っています。
「お前(トモフジテツ)それ、例文ここが変やぞ」という点があれば反映しますので御指摘お願いしますー。
知らず知らずのうちに、おかしなこと書いてたら恥ずかしいなぁ。
次の項から、きっかけがあり書き始めたエッセイが6回続きます。
端的に書くと「創作以外にも楽しさや〝好き〟をあれこれ考えて書き散らかすの楽しい」「その繰り返しで、いわゆる執筆速度的なものが上がる気がする(上がった)」で終わる内容に一万文字くらい使った狂気の沙汰です。
6回続いてから、また今回や前回みたいな感じに戻ります。
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