第165話
オレがなぜ無力かの話が聞きたく
魔法少女の部屋でお泊り会だ。
オレの国には奴隷制度があり
奴隷は虐げられる存在。
王の慈悲で手厚い保証は法律により
貴重な労働力は守られてると思った。
だが違った…
「オレは自国では死人、名も居場所ももう
なくなった。だから森で生活してたら、
たまたま奴隷を拾い一緒に暮らしてたんだ。
ほかにも元奴隷といまはたまに、
一緒にくらしてる。みんないい奴だ。」
西国、帰らずの森で一緒に暮らしてる
獣人ワン
鬼人オニ
エルフミミ
飼い犬とエキストラたち10人だ。
いまは幼い猫人もいるはずだがどうだろう…
1日生きてはいてくれると約束は
したが死にたがっていたからな…。
もう生きてはいないかも知れない…。
ちなみに鬼人オニ、エルフミミは
日本でも悪党を狙う窃盗団もしてる。
「自国領地内、国境付近に行く機会があり
そこで、鎖に繋がれてる幼い奴隷をみつけて
しまったんだ。」
悪党侯爵城の地下にいた猫人のことだ。
「身体は片手片足欠損、両目は失明。
今まで隠れて嬲られ続けてきたのだろう…
オレは今まで王子でありながら何をして
たのだろうと…なにが奴隷に手厚い保証だ!
実際は裏で饒舌しがたいことが行われていた。
知らなかったでは済まされない!
オレはオレ自身が本当に無力で…
本当に度し難い…度し難いんだ!」
拳にチカラが入り血が滲むオレ…
そっと両手でアメリカ少女にその拳を
優しく握られた。
「クロノサン…ワタシの国でも白人、黒人
差別、奴隷制はあります…
それに宗教による戦争…長い歴史にある
負の連鎖…断ち切るにはとても個人のチカラだけ
では…いえ国であっても対処は
容易ではないかと…」
日本人の聖女、魔法少女、生徒会長より
アメリカ少女のほうが身近にあることだった。
だから気持ちが…熱が人一倍入ったアメリカ少女。
どうしても日本は豊かなほうだから、
奴隷制度とは無縁だ。
「こっちでもそうなのか…だがなんとかせねば
いかんのだ!元王子とはいえ、オレの責務
だからな…何もしないわけにはいくまい…。」
「そこまで覚悟がおありなんデスね…」
アメリカ少女
「あ、いや…それが… 幼い奴隷を
みつけ治療したんだ。あ、もちろん
そうしてた奴は殺した。治療する前に
奴隷に死にたいと言われてな…余程過酷だったの
だろう…幼子にそこまで言わせるとは…
それでもオレは無責任に治療してしまったんだ。
それで1日だけ生きてほしいと懇願した。
何度も何度も…、それで1日だけならと
了承はもらえたのだが、死に際が見たくなくて
元奴隷達の拠点へ置いて逃げてきたんだ…。
まあ虐げた同じ人種であるオレといても
気が休まらないだろうと…」
「「「「…」」」」
「オレの中では奴隷を解放する決意が固まった。
幼子を二度とこんな目に合わすまいと…
そもそも産まれながらに奴隷という固定概念が
おかしいとも思いはじめた。
だが、そしたら次は家族…父親の王と
敵対することになった。王は国を乱すやつを
生かしておけんだろうからな。
実際身内とも戦った。(メイド長とじいや)
先ほどの決意が揺らいだんだ…
家族と戦争してまで、ましてや殺してまで
奴隷を解放したいのかって…
ずっと悩んでる…要するに覚悟もなく
逃げてきた、それでいまここにいる…
な!本当に無力だろ…
こんなオレが嫌で嫌で仕方なく…
だから鍛錬しているが答えはでなくてだな…
これがオレの無力な理由、そして肩書を
欲っしないって理由だ…」
みんな涙を流しながら
真剣にオレの話を聞いてくれた。
「な!
つ、つまらなかったろ?
あ、オレはそろそろ鍛錬に行くとするか。」
と言い、いそいそと立ち上がると
後ろから抱きしめられた。
「クロノサンは立派です。そこまで想い悩むのは
それだけどちらも大切なんでしょう。」
アメリカ少女
「ま、まぁ…そうだな…」
「クロノサンがどのような決断をしても
ワタシはアナタの味方で生涯あり続けることを
ワタシの信仰する神キリストに誓います。」
とアメリカ少女が宣言すると
彼女が身につけてるシルバーのクロス
ネックレスが光る。
「ワタシの魔法属性は光です。信仰心に
より神のおチカラ、一端を使うことができマス。
今の宣誓を違えたらワタシは神に見放される
でしょう…。裁きが下るかもしれません。」
そういや、アメリカ少女は
黒騎士で模擬戦したとき光の翼を
背中から生やしてたな。
「そして謝罪を…本当はあなたのチカラが
祖国の脅威になるかもと思い、
アメリカから友好関係をと…
大統領…父の依頼により来日してきました。
あわよくばアメリカに来てくれないかと…
本当に申し訳ありませんでシタ…」
後ろから抱きしめられてる手を離し
正面へ来て頭を深々下げ謝罪してきた
アメリカ少女。
「いや、気にしなくていい…
前も言ったが敵対しなければオレからは
なにもしない。」
「ありがとうございマス。クロノサン
ではアナタにワタシ個人の親愛を込めて」
と頬に手を添えられまた唇にキスされた。
前に修練場では
確かアメリカと日本の友好だったからな。
オレは日本人ではないからやり直しなのかな?
ん?なんか舌を挿れてきたぞ?!
なかなか挨拶にしては過激では?
と思ってたら、魔法少女の蹴りが
アメリカ少女に炸裂した。
「お前!本当にウザい!!
もうやっぱりみんな帰って!
特にお前は二度とくるな!」
とアメリカ少女へ激怒しながら言う。
「お、おい!いきなりどうした!?」
アメリカ少女に襲いかかる魔法少女を止める
オレ
「ヤダ!ヤダ!クロノが取られる!
アメリカに行かないでお願いお願い!」
暴れようとする魔法少女
「きょ、今日はやっぱり帰ろうか…
お邪魔しました。」
女子寮だから寝巻きのまま帰る聖女
「あ、兄上また!」
そそくさ帰る生徒会長
「クロノサンいきなりすみませんでシタ…
ただワタシは本気デス!それだけはわかって
ください。では…」
と魔法少女を一睨みしたアメリカ少女。
そして退室する三人だった。
「クロノ!クロノ!」
泣き叫ぶ魔法少女の頭を
よしよしと、なであやすオレ。
「どうしたんだ?アメリカには
旅行でしかないさ。」
「本当に?」
「ああ。」
「あの女クロノを狙ってる!ヤダ!」
「前はアメリカと日本の友好に
って挨拶だろ? オレはこの国の
人間ではないから、今回は国がわからない
オレ個人との挨拶だろう。
前に言ったろ?国が違えば文化も違うと。」
友好の挨拶で唇にキスし舌を挿れる文化があるとは
なかなかフレンドリーすぎるけどな。
とオレは思ったのだった。
− − − − − − − − − − − − − −
読者の皆様 初心者の拙い文章ですが
☆ ♡ コメント など
いつも本当にありがとうございます。
励みがんばって参りますので今後ともよろしくお願いします。
思い付く限り執筆 不定期に投稿しますのでぜひフォローよろしくお願いしますm(_ _)m
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます