第40話、旅の道中で・・

そうして旅を始めて今では相模の国に到着をしていた、前の世界と比べて関係が良いのでそのような意味でも北条家に挨拶をしてきていた。






皆さんは相変わらずに元気が良さそうで何よりですと思いながら北条氏康と話し合いをしていた、それは今後のことであるがこれからも真里谷家とは仲良くしておきたいと言うことで何か今まで以上の関係をするためにしたいのだがと話していた。






でも自分は養子である可能性が非常に高く当主になれないだろうと思いで自分は夢で見たということで話しをしたのだった。






「実は昨夜、おかしな夢を見たのです。鼠が大きな二本の杉を倒して虎に変わった夢を、そして虎と隣にいた龍がこの関東を支配をする夢を。しかし、夢の最後には龍はこの関東から立ち去ってしまいました。おそらく虎とは氏康様のことでしょう、龍とは非常に申し上げにくいのですが地元では上総の龍とも呼ばれております。それで言えるのは氏康様は関東を支配することができるでしょうがその時には自分はこの関東にはいられないのでしょう。理由までは分かりませんが」






そう言うともしその時が来たら氏康が自分を招き入れようではないかと言ってくれた。それは嬉しいけどお断りをした、どんな状況になるのかもわからないのに頼って北条家に迷惑をかけたくないということで辞退をした。






そうかと少し残念そうな顔をしていた、それに迷惑ではなくても自分は旅に出てみたいと思っていることだし。あと数年のうちに真里谷家から追放される可能性は高いだろうだから自分の足でいろんな場所を見ておきたいと思っていたから。






真里谷家に残っているのはここまで育ててくれた父上の恩返しのためだ、もし恩返しを終えて自分が消えて欲しいと願っているのであれば喜んで立ち去るつもりだ。別に父上は無能ではない、頑張っていればその時には大きな勢力になっているから滅ぼされることはないだろうし。






でもそのようなことを伝えられるはずがないので隠しているが、話を終えるとそう言えば声量をした娘を会ってみないかと言われた。そう言えば北条氏康の娘さんに最後に出会ったのは今から六年前だったな。その時にはまだ五歳でとても可愛らしい娘さんだったけどどうなっているのであろうか。






そう思いで案内をされた場所について行くとそこにはあの子だと思いながらも女性として姿が現れ始めている少女がいたのである。もう11歳になるからなと思いながら見ているとその女性からもしかして信政さんですかと言われた。






自分は覚えてくれていたのかと言うと当たり前ですよと言われた、そうかそれは少しうれしいかなと思いながら名前を聞くと最近では相模の地名になる早川と言う場所にいることが多いために早川殿と呼ばれているらしい。






でもあんな子供がここまで姫様として成長をするとはこれは氏康さんも手放したくないわけだと思いながら話をするのだった。でも歴史通りならば早川殿は今川氏真に嫁ぐことになるだよな。まあ、性格が良かったのかこの夫婦はお互いに国が滅亡をしても離縁をしなかったからな。






しかも今川氏真は徳川家康が江戸に幕府を開くまで生き残り一部の土地を貰ってこの戦国時代では意外に勝ち組に入れたと言う凄さがあった。その土地が一説で今川と言う名前を変更して品川と言うものに変わり今の品川辺りがその今川氏真がいた場所と言われている。






だからこの時代では早川殿は意外にも幸せ者になるのかもしれないなと思っていた。そうなると真里谷家って本当に惨めとしか言えない。後世に残らない武家でありこの世界だけでも後世に残してあげたい。






まあ、数年後にはその真里谷家から追放をされることが予想されていますけど。こればかりはしょうがない、養子と実子では相手が悪い。多少劣っても実の子供に世継ぎをさせたいと思うのが当たり前だ、そうなると養子の自分には残されている場所はない。






だから出来る限り今まで貰った恩を返してその後は好きなように生きてみたいと考えていた。どこかに仕えるのも良し商人になってみるのも良し職人になってみるのも良し、いろいろとあるのだから。






そう思いで自分は北条家の者たちと話をしていた、それが終えて旅を再開をした。まあ、安定の盗賊が出てくるわけですよ。でも前の世界もそうですがこの世界も自分が持っている財宝が狙っているわけではないのですよ。






そう、盗賊たちが毎回、襲ってくる目的はそれは・・・






「とうとう追い詰めたぜ、可愛いお嬢ちゃん。ここまでの上玉は出会いたくても出会えるものではない。捕まえたらたっぷりと可愛がってやるぜ」






おい、お前は勘違いをしているかもしれないが自分は漢だと言ってもそんなわけがあるか、こんな可愛さと美しさを持っている奴が男だと笑える冗談だぜと言われた。






本当にわらえる冗談だったら良かったのになと思っていた。どちらにせよ倒すことにしたのだが本当に可愛いと思っているのか、本当に漢らしく生きたいなと考えていた。






その後は見事に返り討ちをした、護身用で島津将希から武芸を習っていたのですんなりと倒せた。島津将希は剣術や槍術などが達人以上の腕前であり、流石、神様と思ったぐらいに。






ついでに人間に剣術を教えたのは自分で三人目になるらしい、一人目は上泉伊勢守信綱でもう一人が塚原卜伝らしいけど・・・申し訳ありませんが誰ですかと思っていた。






いや知らないだけでもしかしたら有名な人物かもしれないけど凄さが分かりません。その二人と同じぐらいの剣術があると言われてもその二人がどこまで強いのかが分からない以上は参考になりませんから。






でもそこそこ強いのであろうけどその二人同時を相手に片腕で楽勝と言える島津将希さんは本当に化け物だなと思っていた。






ついでに島津将希さんがどんな相手だったら苦戦をしますかと聞いてみたことがあるがそれは八岐大蛇かなと言いながら自分でも歯が立たない男なら一人いるがなと笑いながら言っていた。






その人はきっと生命体と言うかこの世の者なのですか、そんな人物に出会いたくないのですけどと思っていた。まあ、もう亡くなってしまったらしいので出会うことはないだろうけど。






でも自分の実力が分からない以上は無理はできないだろうな、少しは強くなっていることを期待している。なんせこの見た目だ、想像以上に襲われるからな、もちろん襲われる目的は財宝ではなくて自分の体が目的だがな。






一応、島津将希さんにもこの見た目は何とかなりませんかと聞いたけど島津将希さんが珍しくこればかりは神様である俺でも不可能なことだと言われてしまった。






誰か、自分は男前にしてくれる神様はいますかと思いながら京の都に向かって歩いて行くのだった。

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