意味ができた相合傘
裏門前。
夕闇に灯る電燈の下で幼馴染が待っている。
光る小雨を浴びながら空を仰ぐ横顔は可憐で「ソフトの鬼」と呼ばれる彼女はそこに居ない。
「あ…野球部も遅かったね」
「ん、まぁな……濡れるぞ」
「…ウン」
俯いたまま傘に入るが、紅い耳はショートヘアで隠れない。
傘を持つ手に力が入る。
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