第78話・決戦開始2

【身体を寄越せぇぇぇぇぇ!】


「お断りします!」


 レヴィのパイルバンカーが大型の骸骨を吹き飛ばす。ネームドは三体。『愚かな国王』、『暴君なる者』と『醜い王妃』だ。そいつらがアンデッド召喚しつつ、イヴへと接近する。


 イヴは結界みたいなのが発動して守られている。五つある防衛ラインが形成されて、突破されるとダメなんだろうね。


「全員焦らず行こう」


「おー!」


 リファの掛け声と共にテイムモンスターが大型レイド戦で全員参加する。メリュジーヌがブレスを放ち、グリモワールは雷魔法を放った。


 クロティルドは雑魚モンスターを即死で片づけて、ガウムの炎が焼き尽くす。無論、こちらは攻撃魔法をガンガン使う。


「まあ自分の場合、ノックバックで後ろに引かせるだけでいいけどね」


【【【ギャアァァァァァァァァァァァァァ―――ッ!!】】】


 ボス三体の悲鳴、その理由は言うまでも無く、活躍したいプレイヤーの一斉攻撃だ。


「対アンデッド消耗品、神聖銀の投げナイフがすげー威力!」


「取っときたいがここで使わないと活躍が、経験値もらえんぞ!」


「いっやたークリティカルダメで最高ダメージ出た!」


 まさかアンデッド用に作ったアイテムが活躍するとは、まあボスモンスターもアンデッド系もいたし、出てくる可能性があるからと用意してよかった。


「揺れ注意!」


「ひぃー!」


「雑魚戦にも気を付けろ! パーフェクトクリア行くぞ!」


 その通り、イヴの結界は第一結界も壊させない。リファ!


「おーけー!」


 リファの効果で攻撃力が上がり、クロティルドとシズクがガンガンバフをかけまくる。


「よっしゃーいまだ!」


「やれやれ、活躍しちまうな」


「食らえ特化投げナイフ!」


「銀の投げダーツ!」


「当てろ当てろ! それだけでいいダメ出すぞ!」


【キィィィィ!平民どもが!】


 いくつもの魔法を放つが、レヴィとガウム、レントが守りをして、その中で活躍するプレイヤー達が攻撃に参加する。


「行くぞ! ノートさん特性ロマン両手斧!」


 大きな音を立てて、愚かな王を吹き飛ばす両手斧。かなり遅いが一撃が厚い。そのダメージ量に前線が関心する。


「良いダメだね! さすがロマン武器!」


「火力だけなら前線一叩き出してやるぜ!」


「負けられないね。竜の弓+神聖特化矢!」


 王妃を打ち落として、悲鳴を上げさせる。悲鳴には混乱耐性があるが、アクセサリーで防いでいるプレイヤーが多い。


「少なくても宝石箱クランとスタート一緒だったプレイヤーは準備万端だな」


「ああ。オオエド、属性、妖精使い。トップ三の鍛冶師がかなり装備を作って放出したたからな。アクセサリーもやばいのもらった」


「これなら完封行けるか?」


「やってやるぜ!」


 そうしていると、巨大な怨霊は一つの塊になり、神聖ガードのような結界を纏って巨大な剣を振り回し始めた。結界はオーブのようなものがあるから、あれから力をもらっている様子だ。


「じゃあ爆弾どうぞ」


 どこぞの害悪クランが居そうなほど、プレイヤーが一斉に爆弾を投げて三つあるオーブを一つ破壊した。さすがに一斉使用で破壊は一つか。


「ヘイト管理お願いできる!」


「いまの私は無敵だ」


 黒猫が突撃してヘイトを向けられながら対処する。七色の剣と火力特化の剣を使用してオーブにも攻撃を加えている。こちらは矢や銃の一斉射撃だ。


「レヴィ!」


「吹き飛ばします!」


【ぎぃあぁぁぁぁぁ!!】


 む、少ししか飛ばせない。


「なら俺らの番だ!」


「ノックバック専用アイテム一斉に使え!」


「合わせろ!」


 ノックバックに特化した装備を着込む人達。お得意さんが一斉に武器を使用して吹き飛ばす。完封できそうな雰囲気だが油断はしない。急に範囲攻撃してくるかもしけないから、後ろに下がってアクセサリーをばらまく。


「えっ、もらっていいの?」


「やった自然回復量が上がる!」


「完封目指してるらしいからもらったもの返さなくていいって!」


「やった!やる気が出るなー!」


「投げナイフと爆弾持ったな!? 一斉に投げるぞ!」


「魔法の次使用するぞ!」


 こうして連携がうまくいっている。あとは丁寧に丁寧に処理しようか。


「意外とえげつねえな」


「アイテムの宝庫にしたのがいけなかった」


「道具作りの人がいっぱいいたから」


「あとは赤字覚悟で装備と道具ばらまくからな」


 そうだね! しばらく売り物にも響きそう!


 この先のことは後で考えよう。回復アイテムもしっかり出して、このアクセサリーも流しても良いや。こうして自分は貴重品を出しまくって、プレイヤーを強化と士気を上げて、前線を維持するのであった。

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