第71話・動き出すイベント
直し始めてだいぶ経つ。一部施設が解放された。
「料理素材アイテムを入れると食べ物、カロリーバーが出て来た」
「あまり美味しくないな」
「暖房機能が結界内で発生するのは助かる」
「もう少しで完成するぞ」
「修復終わるとどうなるんだろう?」
こうしてついに修復を終えたとき、警報のようなアラームが鳴り響き、全員戦闘態勢。だが舵がある場所にスクリームが浮かび上がり、色々文字が流れる。
「これは」
それが唯一理解できたのは自分だけのようだ。
「データ破損、オールデリート、新たな船長候補多数。この中で一番戦艦修復に貢献した人をセレクト」
「マジで」
その時、オオエドと自分がスクリーンに浮かぶが、どちらもいやいやする。目立ちたくないのだ。だが選択は自分に向けられ、渋々前へ出る。
『ハローハロー新しい船長、星艦星船が起動しました。新たな命令系統並び、再インストールを要請します』
「ハローハロー、星船とはなんのことですか?」
『YES、あなた方が乗っている大型星艦星船のことです』
そう言って全体図を見せてくれた。どうも巨大な山の上に大きな戦艦が一個乗っている状態らしい。新たに物事を進めるため、プレイヤーはそのままにして自分が代わりに色々聞くことに。
『出航は不可能。船内に多数のモンスターや生物反応あり。エンジンルーム自動修復不可能。天候操作吹雪から通常モードに移行できません』
『天候操作はただいま吹雪に設定。この辺りに人が来られないように吹雪に設定されております』
『船内生命反応を確認。有害生命体他多数生存。安全のため甲板に移動してください』
『この船の由来に関する情報は閲覧権限があります。船内にある管理者権限を確保してください』
「大型ダンジョンか今回のイベント」
全員が驚き、声を上げる。今回プレイヤーは多数中に入れるようになっているようだ。我々は看板を修復、他の場所、船の別口を修復したり、集まっているプレイヤーは多く居るらしい。そして一番に修復したのは自分達だ。
「エンジンルームを抑えるか?」
「管理者権限確保が先だろう」
「リーダーは宝石箱さんやアッシュさんらで良いだろう」
「なら面倒だからノートにやらせよう」
「はー大変」
「どんまい」
そんな会話の中、こうしてプレイヤーは船内に入り、探索を開始する。
◇◆◇◆◇
食料の確保をしつつ、先へと進む中で自分は食糧庫ルームへ向かう。どうも敵生成物以外がそこにいるらしいので、たぶんスピカの仲間がいるんだろう。
スピカの親は子供を忘れるぐらいの知性らしいが、会えたらいいなと思い、向かうことにした。スピカは分かりやすいようにお洋服を着せている。
こちらはエンジンルームを始めとした重要ルームから外れるため、人は少ないが………
「結構強いな」
モンスターが基本、星属性の狂った精霊やアンデッド、ゴーレムなどの存在が多いし、ロボットもいる。どうにか進んではいるがすぐには付かないだろう。いったん戻って仕事に入る。
仕事といえば、持ち込まれる素材で新たな装備を作ること。基本レア素材が多い為、経験値が高い。それと共に持ち込むプレイヤーは性能の良いのが手に入るため、仲良くやっている。
「特殊効果を付けるか、素の性能を取るか、属性をとるか」
「ここ鍛冶師豊富だろう!どれを選べば良い!」
「なあ、なんか仲良く協力コースがあるんだけど」
「ホントだ!時間が限られるけど属性、特殊効果能力、素の性能を高く出せる鍛冶師が協力する!」
「はあ? それってつまり神装備作れるかもしれないだろ?」
こういうのがあるから鍛冶師は大忙しだ。そしてやばげな性能装備ができた。
「じゃあああぁぁぁぁぁ竜属性で特殊効果てんこ盛りで素のスペック前線性能だ!」
「おおぉぉぉぉぉぉ!」
「マジやべぇぇぇぇぇ!」
観客達が絶叫するが、こちらは少し考えこみながらこれ以上の性能が出せるか話し合う。
「属性は無理っすね。これが限界値です」
「特殊効果は、小さいのより高い効果に集中するっていうコースも取れそう。10個じゃなくて4個とか。代わりに遥かに強い性能にできそうですね」
「素のスペックも、妖精使いノートのテイムモンスターとの連携がもう少しやり込めば盛れるな。方針は無理せず、強制せず、それでいてやれるんならよう練習だな」
方針は決まった。うちの子達を無理に働かせる方針は攻略チームからも無しの方向でっていう話だし、装備作りは問題なく進む。
「おーーいーーーゴーレムのボスモン見つけたから、レシピ回収に何人か戦闘に参加して!」
「こっちはスピリット系の精霊モンスターだ!」
「ドラゴンがいたぞーーーー!」
ワイバーンもいるし、素材が運び込まれ、施設復興と船の修理、装備作りに鍛冶師は大忙し。錬金術師も忙しく、船大工もあるので木工、石工も大変。そして自分が持ち込む金属布や宝石布もあって、副職も忙しい。
「きれいやでー」
「リファちゃんがまた布作ったぞ!」
「メリュジーヌちゃんもだ! やっほい!オークションやってくれ!」
「お願いします新しい装備を作ってください!」
んー今回は食料庫へ向こう以外、やることは鍛冶ばかりになりそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます