第7章:大規模イベント星と宇宙の贈り物

第70話・山頂吹雪

 イベントが始まる前、黒猫と揃い、パーティを組んでメンバーを厳選する。メンバーはガウム、レヴィ、しんじゅ、余裕をもって開けて黒猫ということになった。


 イベント開始時間になり、イベントへ入ると猛吹雪の中に飛ばされる。


「念のために防寒装備にしてよかったね」


「ゴーグルが役に立つ」


 とりあえず吹雪を避けるため、前へと進み、どこか安全な場所を探す。レヴィの探索能力に期待する中、洞窟を発見して中に入る。


「プレイヤーがいるね」


「今回はまともそうかな?」


 黒猫の顔を見たりして挨拶されたり、様子を見るとオオエドさんがいてくれた。彼もとりあえず暖を取り、周りを探索しているらしい。


「ちょうどいいところに来てくれたな」


「どうしましたか?」


「ああ、大型のセーフエリアが発見された。そこを修復して探索する予定なんだ。確か設備系統のクラフトできたよな」


「ええ任せてください」


 こうしてまずは遺跡のような場所を中心に探索場所の確保に入る。召喚できる者は召喚して、クラフト開始する。


 まずはコケッコやミルクタンクの納屋作り、ミルクとタマゴで食べられる物の確保に入る。セーフエリアの防壁のような結界は生きているようで、それの修復もしっかり行う。


「次は施設と建物整備か」


「戦闘班はモンスター素材と鉱石の発見を。まとめはこちらでやります」


 有志のクランが手を貸してくれて、品物を集めながら探索するが、基本自分が知る鉱石がある。星属性や宇宙属性の鉱石だ。


「クラフトできねえのが多いな」


「ノートさんしかクラフトできないとなると、他は大変ですね」


「他か………」


 そう言えばここ、山頂の探索以外、細かいルールは無かった。インベントリにはかなりの量の素材やアイテムを持ち込み出来て、それで補っているところもある。そうしていると宝石箱など知っているクランも加わり、周りの探索が進み始める。吹雪が強いらしい。


「どうにか移動できないものか」


「んー」


 そうしてクラフト修理していると、あることに気づく。


「ん?」


「どうしましたか?」


 星、宇宙などの鉱石をクラフトできるのは自分だけなので、てこずっている中、クラフトの方向性の中におかしなものを見つけた。


 母艦修復という項目だ。


「母艦?」


「船って、どこに?」


「………」


 オオエドさん達、生産クラン系統のみんなは、


「「「とりあえず修復してみてくださいな」」」


 というわけで母艦修復を開始する。それらしい影は無いんだけど、それっぽいのが無いか調べに走る。


「舵がありました。ちょうど椅子もある」


「これが中心か?」


修復を始めるが、物凄く鉱石が必要だ。中には竜属性の鉱石を要求するが、基本的に素材は吐き出されている。みんな母艦という言葉が気になるのだ。


 そんな中で黒猫も調査しているのだが、おかしなところはいくつかあった。床の一部が氷だったり金属だったりするらしい。岩場や土が無いのだ。


「あっても少しだけで、草木の素材が手に入りづらいね」


「モンスターは?」


「ゴーレム系、ロボット系、精霊とゴースト系統が多いね。動物もいるよ」


 そうして修復していると、修復ゲージが30%になると異変が起きた。


「吹雪が止んだ?」


 ほぼセーフエリアの結界内なだけで屋外であったが、吹雪が止んだ。結界内だけ、吹雪を防いでくれているようだ。


「ノートさんその調子でお願いします。鉄系は自分らでやりますので」


「あと星と宇宙、竜の鉱石は残せたら頼みます!」


「難しいことを言うねえ」


 まあやるけど、もうフルメンバーでクラフトを始めている。オオエドさんも手を貸して良き、星属性と竜属性のクラフトができるようになったらしい。


「ノートさんの手伝いをしていると、使えるようになったのか!?」


「それとも未知の属性鉱石を使用し続けるからか?」


「待って星属性も宇宙属性も竜属性もスキル欲しい」


「失敗したらそれだけクラフトが遅れるぞ!」


「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁくそジレンマ!」


「だができる奴が増えれば早まるぞ! 鍛冶スキルのレベルの高い奴優先でノートさんの手伝いしろ!」


「あっ、自分も竜属性スキル手に入れた」


「ああああぁぁまたスキル増やした!」


「追いつけねえ!」


 クラフト組は楽しそうにしている中、戦闘班なども楽しそうにしていた。


「ドラゴンだ!」


「違うワイバーンだ!」


「るっせえ!素材だ!」


「あれはあれでレア素材!」


「狩りつくせ!」


 どちらもいまのところ不満は吹雪の中で、マップ機能が無いと迷子になるくらいか。強いモンスターは歓迎されるので問題なく、自分達は攻略らしく、拠点の改造と辺りの探索を進めていった。


 いまだ我々は入り口で足踏みしていることを知らずに………

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る