第69話・突発イベント終了
イベントの方だが、結構盗賊側が不利な状況になった。
「お礼に装備もらうぞ!」
『『『おおーッ!!』』』
プレイヤーがそんなテンションで活動を開始して、衛兵と共に入り口付近などを張り込み、着々と捕まえていく。ガーネット達は返してもらった装備の代わり、それか商品そのものを渡してお礼をするところだ。
黒猫がおーーーいーーと言って帰って来た。襲撃されていたが、一個取り戻してきた。襲撃者は謎のアイテムを使用して、所持アイテムを盗るらしく、騒ぎを聞いてきた優勝者エルフの方に聞くと………
「まさか『盗賊王の宝玉』が存在するなんて」
「それはどんなアイテムですか?」
「所持しているだけで違法の違法アイテムですね。他者の【アイテムボックス】や所有アイテムを盗み出すアイテムです。確か王国でもすべて破棄した記録があるはずですが、遺跡などで見つけたのかもしれません」
もしかしてと首をひねると、ぼそぼそと話しかけてきた。
「あなたの知り合い、信頼する方を集めてください。もしかしたら賊のいる場所が分かるかも」
「本当ですか?」
こうしてアッシュ、ガーネット、ダイヤ、黒猫と共に案内されたのは地下施設。地下墓地らしき場所であり、ああと嘆きながら、様子を見て驚く。
「そんな、地下墓地が荒らされてる!」
「ここはどんなところですか?」
「元々別の国の王族を祭る地下遺跡で、普段は立ち入り禁止の秘密の場所なんです! ゴーレムで守られているはずなのに」
「明らかに頭の悪い人がいる」
黒猫がそういって、ペイント機能を使い『俺参上!』と書かれた壁とかみる。アイテムも無造作に置かれていたり、爆薬を使用した後や、ゴーレムが倒された後がある。エルフの人は都市衛兵はなにをしていると憤慨だ。
「確実にいるな、奥の遺跡にいるんだろう」
「我々が入っても良いですか?」
「はい、すぐに倒しましょう」
こうして奥へと入ると、しばらく遺跡マップが続く。アンデッド系が多いが、こちらにとっては楽な相手だ。
「神聖特化でよかったよ」
「楽勝!」
「ああアンデッドの数も多い、どうしてこんな………」
エルフさんのダメージが大きいが、アンデッド退治しながら奥へと来ると、騒ぎ声が聞こえてくる。
『貴様ら!よりにもよってここに逃げ込むな!』
『しょうがねえだろ!上はもう逃げ場がないんだ!』
『それだと私が匿ったことになる。万が一ここの現状がバレれば大損だ!』
『問題ねえ、こっちにはこのアクセサリーがあるんだからよお!』
『だったら他の装備も持ち込め! ったく………』
こんなやり取りがされていれば、すぐに突撃するかとなり、突撃した。
「げげっ!」
「まさか都市の重役がコソ泥の協力者とか」
「なっ、追ってきただと! ここは一般人立ち入り禁止じゃないのかよ!」
「ずるいぞ! NPCに案内させるなんて!」
「頭悪い奴ら、これで全員だね!」
お怒りモードの黒猫とエルフさん。数が多いがレッドアイコンであり、自分を見た瞬間チャンスだと言い始めた。そういって取り出したのはオーブらしいもの。
んー物的証拠が次々と出てくる。一応使われたみたいだけど………
「なんだこれ?」
「あっ」
黒猫はニチャ~と悪い顔をした瞬間、投げナイフ投げた。
「レヴィガード!」
すぐにレヴィが前に出た瞬間、投げナイフが自分から盗った、『大火薬玉』に当たった。
ドカーンと景気のいい音が鳴り響き、黒猫はきっひひと笑う。
「ノート意外と危険物所持してるんだよね」
「それをためらいもなく着火しないでよ!」
「すいません、ここでできれば火器の使用は………」
「めんごめんご」
なんていうか、いまの一撃で大半牢屋行きになったらしい。えっ?
「自分でも爆発は半分もいかないくらいなのに」
「こいつらレベリングできてねえな」
「はあ、とりあえずこっちの重役らしき親玉も捕まえよう」
自分、アッシュ、ガーネットがそう口にして、気絶しているNPCを捕まえて、こうして突発イベントは終了した。
地下遺跡はアンデッドが多くなり、冒険者に退治していただく方向に話がまとまり、違法アイテムの横流ししたり、遺跡を管理していた重役はそのまま犯罪者として逮捕される。
地下遺跡は黒猫の新しい遊び場になったようでよかったよ。
被害らしい被害は、都市の方で保険金が出るらしく、すぐに直すと告知された。犯罪プレイしていたプレイヤー達はシステム上可能だったため垢バンは無いらしい。だがペナルティは重く、牢屋生活が嫌になって辞めた者も出始める。
ちなみに違法アイテムはちゃんとした都市の重役が破棄してくれたようだ。黒猫だけコレクターとして残念がっていたが、さすがに所持しないで欲しい。
他のプレイヤーも新しいエリアが解放されて満足されている。とりあえずイベントまで、静かに過ごさせてほしいね。
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