第65話・イベントが来る
畑をやりながら、いまはアクセ作りにハマっているノートです。綺麗で高スペックアクセサリーを目指している。付けられるスキル欄を見ながら、うまくかみ合わせているところ。リファ達との連携で良いのがいくつかできた。
「お金に替えるとなると、かなり高額になる」
「そう?」
黒猫ができたアクセサリーを見ながら、竜の素材との取引で買おうとしているところ。黒猫はそう評価した。
「うん。いま現在、宝石などの鉱石を糸、布に換えるスキル持ちはノートだけ。ダイヤはしっかり習得ルート入ってるけど、この辺りのスキルが持つ特別性は揺るがない」
だから特別に上乗せしないと市場が壊れるらしい。
「現にこのスキルを持つNPCの店は一見さんお断りのうえ、高額取引で売買されてる。ノートもそうしないといけない」
「そうか。そうなると従来の取引だと、ブラリスなどの問題を代わりに跳ねのけている『宝石箱』と、アッシュさん率いるクラン以外だと、高額設定にしないとな」
「うん。だからこのアクセを………」
黒猫はまだ中学生だが、MMORPG内の値段はしっかりしている。かなり高額設定を素材を吐き出して値下げして買い取るようだ。
「一番得意なアクセってある? 掲示板でこの値段でこれ買えたってあげたいんだけど」
「んー火属性強化、神聖魔法、聖属性強化、邪属性、それと星属性の装備だね」
それを尖った性能にしているところだ。基本に売るとしたらどうしても尖ったアクセサリー性能が一番良い気がする。変にバランス持たせると中途半端になるからな。それでもバランスを考えて、色々上乗せしたりする。
「研究用のアクセはまあ普通の値段になるね」
「だね。この辺りのは中級者でも買えるし、手軽に装備候補にできる性能」
「武器や防具も作らないとな。ドレス系に集中して服飾系のスキルを鍛えておかないと」
「ダイヤと一緒に作ると性能が上がる」
少し楽しみにしてるな黒猫。そうしているとイベント発表がある。今度、星の民というイベントが行われるらしい。内容は山脈の上に住む人々との交流、すでに手がかりを見つけているプレイヤーもいるそうだ。
「スピカのイベントか」
「おーまたご一緒させてもらっても?」
黒猫の方が遥かにレベルが高いのだから、ついてきてもらうのは助かるのでOKを出しておく。あとはイベントに備えて、武器作りだ。
「というわけで、少し試してみるか」
「試すって?」
「ナイフとかの柄に使うとこ、布製品を使う要素があるから、それを宝石の布を使う。それと宝石の布に魔力を付与する」
「………ロマン砲強化!?」
そう、クリティカルダメージが発生すれば一撃1000万くらいかかるが、破格のダメージを出す武器を作ろうとしている。値段自体も破格のロマン武器だ。
杖も強化できそうだ。装飾に布を使い、杖の効果を上げようと思う。後は魔法の素材。強化や変化に宝石の布を使えばどうなるか。
やることはいっぱいあるな。やってみようと思う。
「それは楽しみ、私は素材を取ってくる」
「うんありがとう」
そして黒猫が出て行ったところ、それとは別にやりたいことがある。
「『ドラゴニックオーブ』か」
ドラゴンボスの素材、レアリティ現最高峰の宝石アイテム。これをぜひ武器に鍛えたい。
黒猫の装備品として良い物を持たせたい。いくら自分がいくつものスキルを先に入手して鍛えているとはいえ、ハイペースで進む者達はいずれ追い越す。いまのところ運が良いだけだ。
だがその間、黒猫の装備、彼女が求む装備は自分しか作れないという、自負がある。少なくても自分はいまは、トップ勢の鍛冶師の一人だ。
テイムモンスターの力、サーヴァント達の力を借りて、最高の武器を作ってあげたい。いまのところ、それが一番楽しい。
「リファ、これを鍛えるとして、今のところどう思う?」
「まだまだ足りない」
「だね」
スキルレベルが足りない。だがそれだけだ。材料も素材もたくさんあるし、チャレンジできる環境でもある。
「ぎゃー」
「きゅー」
メリュジーヌとスピカが吠える。彼女達も準備ができているらしい。
「さて、まずは施設を作ってみようか」
全員が頷く、自分に力貸すモンスター全員が一致団結して、最高峰の剣を作る準備をしてくれるそうだ。
ならあとは作るだけ。時間は無理をしたくないが、ギリギリまで楽しもうと思う。無理せず、無茶せず、それでできる限り全力で。
それが自分のスタイルだ。いまからフルログインとかはあり得ない。そこまですれば、受け取る、買い取る黒猫は嫌がるだろう。だから無理せず、コツコツやるのだ。
やるべきことを決めて、ゆっくり行動する。まだしばらくはあの武器で我慢してもらおう。本人は気に入っているが、まだまだ上を目指せるのだから目指さなくてはいけない。
そう決めてから、すぐに行動に移った。がんばれ、おー。
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