第55話・ノートのメインウェポン

 雪山遺跡ルートでは『金鉱石』と『銀鉱石』と『魔晶石』が発掘される。金鉱石は金であり、装飾、ルーン、紋章の触媒として人気の品物だ。それによる合金もまた優秀であり、研究作業は終わらず、研究チームも苦悶させている。個人でしている自分はもはや時間があればという事態だ。


 運が良いのは研究チームという名の考察、攻略サイト製作するクランがいて、彼らに研究データを提供すれば、サイトに載せてくれることである。個人や一般クランはこれでデータをひとまとめしてより良い物を作る。研究チームもサイトに載せる情報が手に入るため、タダで纏めて、サイトに載せていてくれる。


 金鉱石と銀鉱石はそれでいいが、謎なのは『魔晶石』である。魔力を含んだ石であり、触媒としての価値はない。ただ施設を動かす燃料になるため、町などのギルドが高く買い取ってくれるという。もちろん買い物で手に入れることができる品物だ。


 施設を動かす燃料であるため、色々な用途に使われるが魔法、装備に使用しないため、発掘の間に使う金策として集められる。自分は念のために取っておいている。お金はあるんだよな。


 雪山遺跡、エルフの国付近、砂漠エリアで発掘される魔晶石は金策として市場に潤っていた。なにかに使えそうなんだよな。


 古代の塊の中には意味の分からない護符がある。魔法の護符というアイテムで使用方法不明なのだ。いま手元にあるのは『火炎の護符』だろう。色々試してみるとアクセサリーに使用できる。


 だが使用するのは躊躇っている。失敗しそうだなと思う。しばらくは情報集めに魔法ギルドの好感度を上げているところだ。魔法のレシピとか欲しいからね。


「なあ兄ちゃん、いいもん手に入ったが買わないか?」


「おっ、良い物ですか?」


「ああ。魔晶石レシピって奴だ」


 んー謎が深まりそうだが、実験に使えそうだ。かなり高めだが、お金はかなりある方だから買えた。買い込んだそれを読むと、護符系について説明があり、護符系は鍛冶などを使用する際に追加使用すると能力付与と特殊魔法製作に使われる。かなり重要アイテムのようだ。


 作れるようになったのは『魔晶の護符』と『混沌の護符』だ。


 用意してみて実験してみた。そして完成品を作り、黒猫に見てもらう。とりあえずできたのはこういったものだ。



 投擲魔晶撃のナイフ 完成度8 品質★8


 魔晶石を消費することで威力を上げる。0/5000



 混沌のリング 完成度8 品質★7


 魔法【カオスショット】を使用可能。混沌属性



「アクセサリーで魔法使用できるアイテム!」


 黒猫は驚きながら威力など検証したがっている。とりあえずアクセサリーを火属性メインで鍛えて、火炎の護符を使用しようと思う。


 投擲武器の方はどうだろうか? 魔晶石を消費して威力を上げるようだが、試しにアシュラへと挑んでみた。結果は自分でも投擲でのサポートができる火力を吐き出せた。


「んーもう少し威力あげられそう」


 黒猫がそういう。お金があるからかなりの魔晶石を買い込み、投擲武器に使用、威力を高めて使用した。アシュラ相手にしたところ、かなりの出費はしたのだが、自分なら元が取れそうだった。


 だからか、他にも威力アップのために色々仕込んでみたら、黒猫は商人プレイヤー神武器!と言った。


「クリティカルダメと発生率をアップして、元々の攻撃力も高めにした。強化したからかなり高めのダメージを出すようになったよ」


「神武器や!」


 この調子で雪山遺跡のエリアボスも倒すことに、完全に機械ゴーレムであり、機械ロボットだ。


 雷弱手らしく、レヴィ、レント、グリモワールを主体にして戦った。戦えたよ、後方で魔法を撃つだけで終わらず、サポートでクリティカルダメージを叩き出して戦えた。これは凄い、戦闘職のプレイヤーが戦闘が好きなのも理解できるほど、清々しいダメージを出せた。


「すっげー」


「ノート、その武器はまだ強化できる?」


「魔晶石強化だけじゃなくって意味かな? 投げナイフはよく作るからかなり盛れるね。元々のスペックも上げられそうだよ」


「それで魔晶石の強化でクリティカルダメージか、かなりロマン武器になってる」


 黒猫ですらロマン火力は欲しいと言っている。投擲による高火力ダメージを狙うとき欲しいとのこと。黒猫でも1、2回の戦闘なら元手は取れるだろう。


「商人クランも欲しがると思う。最近はゴールドを貯め込んでいて、消費する機会が無いらしい」


「これは売れるね」


 しばらくは投げナイフと魔晶の護符の研究か。もう一つ、カオスショットの方を調べたら、かなり燃費は良い威力の魔法であった。


 黒猫的感覚では、魔法職専門では威力は通常攻撃くらい、魔法剣士職は持ってても良いくらいの威力らしい。


 なにがいいかといえば、弱点耐性が無いところ。いまのところ耐性が無いのでどんな敵でも安定してダメージを稼げる。燃費も詠唱時間も悪くない。


 ただアクセサリーだからそこは難点だろうというところか。これでそうなら火炎の護符で良いアクセサリーを作るのもいいかもしれない。


 妖精竜で良いの狙えるか、まだ一つしか無いから、気を付けて【鍛冶鑑定スキル】と利用する。最近現れた鑑定系のスキルだ。これで作るものの予測ができる。


 こうして作られたのは『妖精紅蓮竜の宝玉』だ。


「これはガーネット的に神装備!」


 そう、魔法として【紅蓮】というシンプルながら強力な魔法がかなり詠唱控えめで使用可能。他のアクセで詠唱を短くすればすぐさま放てる、高火力魔法になった。


 アクセサリーとして性能も持ち合わせていて、ガーネットがこれはブラリスなどの件抜きにして購入するのばいいなと、周りの目も気にして判断。今度の配信で魔晶石発掘で金策する配信をするとのこと。


 護符レシピはまだまだ何かある可能性があるため、解読をしようと思う。他にどんなものがあるかな?

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