第38話・第2イベント:集まる妖精

 ノームを探しに山の鉱山付近までくると、意外にもすぐに見つかり、イベントを見つけた。


 ジュエルイーターモールというモンスターがいるらしく、そいつを倒してほしいという。ここから安全に移動するためとのこと。おじいさんとおばあさんのノーム達を連れて行くにはモンスターを倒さないといけない。


 黒猫が突撃していったおかげで倒せました。私は立っているだけです。


「リファ呼んだりしてるから二段階バフ付きだよ?」


 まあ微上昇スキルは上昇スキルへ強化されているからね。そんな会話をしながらモールの爪を見せて、ノーム達の引っ越しが始まった。次はサラマンダーだが、こちらはガーネット達が連れて来た。こうして集落は少し賑やかになる。


 出来上がった貴金属をうまく扱うことで、属性武器や防具が作れる。性能の良い物を作り出すと、みんなが喜んだ。ガチ勢とトップ勢と廃人勢は厳選したい病になりかけたが。


「四属性か一点のみか、なあ爆属性とかになってるのあるんだけど」


「二つの属性を合わせれば樹、氷、雷、爆属性の武器が作れるのか!?」


「いっやふううぅぅぅぅぅぅ」


 ボンバーラットの素材を使えば、爆属性の強化魔法を作れる。これを使えば火力マシマシの武器を作れると知り、こぞって材料を渡してくるため、自分の仕事は厳選になり始めている。なんかできたのは特殊武器。



 暗闇デスサイズ 製作者:ノート 完成度8 品質★7


 邪属性、闇属性、即死付与5%



 なんか運が良ければ即死を引き起こす鎌ができた。巨大な鎌で使い勝手が悪いが。邪属性ってなんだという話になり、ノームの長老が詳しい話を知っているようだ。


 この辺りでは複数の種族の集落があったそうだが、それは神聖なる樹があったおかげらしい。だがそれは邪属性のモンスターの呪いにより枯れ果て、巨大なアリの巣穴になったそうだ。


 調べに行くプレイヤーは周りの探索を組み込み、ダンジョン攻略を進めることにする。自分はできる限り研究らしい。なんか強制されている感がある。研究は他のプレイヤーと頑張り、色々データを取って共有しているところだ。


「カース系のモンスター素材から邪属性が出るな」


「邪属性があるから反対、聖属性があるか」


「いま聖水で浄化作業した素材を使います。性能変化がありますね」


 テイムモンスターや友誼モンスターのこともあるから、村から出ないのは助かるな。クラーラから報告があり、シルクワームと友誼を結べた人が数人いるらしい。パピヨンへと進化し出しているとのこと。


 ブラウニー達もいる中で、さまざまな種族が好きなことをしている。ケットシーは商い、コボルトは生産、ノームは農業、シルフは裁縫、サラマンダーは鍛冶、ウンディーネは釣りが基本だ。全員が全員というわけではないが、だいたいそうらしい。


 養殖場が作れるようになり、魚を育てようとする。まだ街中の広さを気を付けて、開拓をする。


「おなか減った」


 黒猫達が帰って来た。ボスモンスターの影は無いが中ボスみたいなのがいくつかいるらしい。ノーム達やサラマンダーのいたところにもエリアがあり、ボスモンスターを探しているようだ。


 そうしていると、妖精達の重役が集まり、妖精のダンジョンがあるという。そこに神の樹の種があるそうだが、魔物が周りを囲むようになり自分達では取りに出向けないとのこと。


 ガチ勢はやる気満々だ。ダンジョンの入り口が町の中で開き、そこに向かっていく者達。自分は見送った。


「素材によっては自分ら忙しいね」


「ですね」


 ダイヤと共にそう呟き、クラーラは新しいモンスターがいないか行って来るらしい。んーイベント中に一体欲しいな。そう思っていると、シズクがやってくる。なにか見つけたらしい。その方角に兵を派遣すると、別の集落プレイヤーと合流した。


「俺達はドワーフ集落の者だ。ここは?」


「妖精集落か」


 ここから予想を立てて、サーバーは大体500人くらいプレイヤーがいて、100人前後で集落を作っていたようだ。


 いまのところドワーフ以外にエルフ、ハーフリング、獣人集落がある。連携することを考える必要はあるなとガーネット達の会議で決まり、食料などの交流のため、道を作ることに。


 魔除けのオブジェクトはガラクタ、修復すれば使える物がダンジョン内から発見された。物凄く素材がいるが、クラフトは可能だ。


「ノートさんをそっちに回すのか!?」


「けどイベントはしておきたい」


「別の集落にも神の樹の種があるらしいから、全部集めるとこのサーバー凄いことになると思うんだ」


「涙を呑んで新素材による厳選は!諦める!」


 黒猫が涙を流して宣言した。それほどか? また来られるらしいから作るから。他の人は、まあ分かる。たぶんいまじゃないと一般人の声を聴きつつ、厳選はしないだろうからね。


 仕方ないからスケジュールを組むことに。裁縫は下地とモチーフ作り以外に必要はしばらく無さそうなので、ダイヤの枠で活動するらしい。しばらく宝石箱の配信も頑張ろうかな。こうしてお昼まで自由に過ごした。

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