第30話・拠点の出来事

 古城の方でのボスをソロ討伐を目指してみる。すでに黒猫が討伐しているが、まあ楽しめるだろう。


 黒猫は最近、森林エリアを探索している。レベル的にすでに山頂の先に行けるのだが、森林のエリアの方がソロ討伐を取れそうだから先にとのこと。


 森林エリアの攻略ルートが分かればボス討伐は可能だろう。っと、ボスモンスターが現れた。


「しんじゅは聖水、ガウムとグリモワールは魔法攻撃、レヴィはタンクだ」


 自分も投擲で聖水を投げつけて弱体化させる。結構ダメージ入るな。聖水を投げつけて浄化魔法をかけ続けていると、少し変化が起きた。


『ひ、姫様………』


「はあぁぁぁぁぁ!」


 そう言われたレヴィは気にせずバンカーを叩き込む。待って、いまレヴィのことを姫様とか言ってたけど?


「レヴィ!?」


「このまま討伐して眠らせます! 安らかに眠りなさい!」


 そう言ってパイルバンカーを叩き込むレヴィ。ドロップアイテムを獲得してまあいいか。そう思っていたが『姫のドレス』という装備品が手に入った。レヴィに似合いそうな装備であり、レヴィはここの姫様だったのか聞くと、首を傾げる。どうもわからないらしい。


 自分は気が付いたらここにいて、人魂としてあったところ、自分にテイムされたという。ならそれでいいか。


 レヴィは使う武器も特殊であり、容姿から掲示板で騒ぎになっている。可愛いNPCランキングで上位に入っていた(リリアさんとか噂の聖女姫様も入っている)


 こうして古城でのレベル上げを終えて、今後はどこを探索するか悩むようになった。とりあえずしばらく畑かな?


 拠点に戻り、貯まっていることをしよう。料理はタマゴ、ミルク、花の蜜などある。小麦粉が作れるようになり、パンケーキが流行っている。


「ほい、空腹値の回復量が多いなこれ」


「わーい」


「うまうまっ」


 リファとグリモワールは喜び、ガウムも尻尾を振り食べる。メリュジーヌは大事に大事に食べているな。そうこうしていると、レントの方で光が放たれる。なんだ?


「進化か」


 新しい進化先はファーマートレント、ハイトレント、神樹の精霊だ。


 神樹の精霊は神聖属性の素材5種類生産に聖水による浄化となっている。つまり神聖属性の素材を五つと、聖水で育てられた個体のみ進化可能らしい。


 能力は神聖魔法に樹魔法、魔法は【ハイヒール】に【リーフソード】に木工と料理。それに素材製作で霊木の枝、葉っぱ、神聖樹液、神樹の葉っぱ、神樹の枝、精霊の雫というアイテムが手に入る。


 レントに聞いたが神樹の精霊で良いらしい。というわけで進化開始。


「よろしくマスター」


 可愛らしい女の子が現れ、ロングソードを腰に下げた女の子だった。本体である樹と分離して自立行動ができるようになり、分身もそれに似たものが出せるらしい。


 早速パンケーキを頬張り、自分は五種類の神聖素材を確認しておこう。


「神聖草、仙桃、浄化解毒草、極熟トマトと神聖小麦がそれか」


 聖水で育てたものがそれらしいな。メモっておこう。


 魔銀関係で色々作れそう。レヴィも闇属性を覚えてくれたし、魔銀もそれ関係の物を作り、装備品に変える。水晶ゴーレムの厳選も少ししておこう。


 下地に使う皮も良い感じに選び、うまく使う。柔らかいシルクパピヨンの布生地や特徴を持つモンスターの皮。これらを錬金などで合成すると、モンスターの布生地になる。


 ダイヤもこれらが欲しいから、だいぶ注文が入っている。下地以外の研究はダイヤに任せている。向こうの方が熟練度が高いからね。


「こんちはー」


「黒猫か、魔銀の素材はある?」


「うん。投擲用にいくつか買い取りたい」


「はいよ」


 ルーン系のスキルレベルが上がり【ルーンスキル】というのが生えたりしている。紋章刻印とは違うタイプらしく、作るのにかなりMPを使う。


 軽装で作る『ルーンのライトアーマー』はかなり自信作だ。水晶ゴーレムの欠片を使って、軽減と守護、風の刻印をして、紋章も神の加護を強く刻んだ一品だ。


「すげええ、しばらく装備変更問題なし」


 黒猫は喜び、大金を落とす。これで雪山を探索するらしい。


 それならとダイヤと共に作った『ファイヤーコート』を着込んでもらおう。氷耐性と寒風対策になるらしい。


「ちょうど私も作り終えたからねえ。レヴィのレベリングしたいし」


「ノートも一緒に巡る?」


「それもいいね」


 誰を置いていくか考えないと、魔法製作で錬金術をしている子がちょうどいる。グリモワールは錬金術を覚えてから、素材を使って作ったりするのが楽しいようだ。


 いまのところ問題ないし、雪山の探索へ行っても良いだろう。森林も少し見てみるのもいい。そうと決まれば森林を覗いたら雪山探索しに出向こうか。決まり次第ポーションも作る。


 寒い場所の探索を考えられているのか、ホットポーションとクーラーポーションというのがあるから、作っておかないと。スリップダメージは勘弁だからね。


「それじゃ、準備するから時間合わせてね」


「はいよ」


 こうして時間合わせをしながら別れ、薬の準備をしておくことに。雪山の次は森林だなと思い、パーティ選択をしながら備えるのであった。

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