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読書好きのシマリス

第1章:星明かりの世界へようこそ

第1話・キャラメイク

 自分の名前は『時崎晶』。動物飼いたい。それが前々からの夢だった。


 だけどそれはいけないことだ。命を預かるという重みを知らないから言えることである。自分の親はそれは厳しかった。


 猫も犬もオモチャではない。猫カフェに連れて行ってもらい、可愛がっていたある日、その子が死んだときは悲しかった。老衰らしく、それはもう泣いた。


 たまに行く程度でこれでは、自分は果たして、彼らの親として育てることができるか疑問に思い、生き物を飼いたいというのを辞めた。


 だがそんなある日、世界はついにVRMMORPGというジャンルを開拓した。


 ゲームの中でモンスターと共に行動する人々、剣と魔法の冒険。


 もう一つの世界と銘打つ世界観に、私は最後の祈りをした。


 それは聞き届けられて、ゲームソフトを購入することができた。ついに『スターライト・ワールド』をやることにする。


 12歳以上対象、高校生の自分には問題ない。PKは無し、楽しめる設定の下、私はモンスターテイマーとして遊ぶと心に決めた。


 五日くらい遊んでも一日で済むというVR空間の加速システムがあるが、ほどほどにしないと。いろんなモンスターを連れて歩きたいから、テイマーの欄を確認し続けて待つことに。


 こうして星明かりの世界へとログインするのであった。


 ◇◆◇◆◇


 真っ白い部屋の中、自分は鏡の前に立つ。


『スターライト・ワールドへようこそ。まずはお名前を教えてください』


 この世界は異世界から神様の力で人が遊びに来ているという設定。この世界の人は自分のことで手一杯で、他国との協力や物の流れなどが途絶えたりしているらしい。


 プレイヤーはそんな人達を助けるために派遣された開拓者であり、まずは平和な土地から多くの場所に向かっていくというのがゲームの流れだ。


 最初に選べる種族はバランス型の人間、魔法使いエルフ、戦士ドワーフ、海の民マーマン、手先が器用なハーフリング。


 自分は『ノート』という名前にして、アバターは身体スキャンでできたものが出てくる。黒髪黒目、少し平凡な顔たちにした。目立ってカラーリングをよくしてもな。


 次はステータスがランダムで決められる。ステータスは以下の通り。


 筋力、物理攻撃のダメージ量を決めて、重い装備品を装備できるか決める数値。重い物も持てるかも決める大切なステータス。


 耐久、物理ダメージを軽減する能力であり、毒や麻痺などを受けた際、この数値が高いは早く自然回復する。


 敏捷、身体を素早く動かす数値。これが高いと体操選手みたいな動きができるようだ。


 器用、クリティカル発生率と生産能力に関係する。物作りの品質★と完成度を上げてくれる。


 知能、魔法を装備するために必要な数値、魔法ダメージと魔法ダメージ軽減にも関係する。


 幸運はドロップ率のアップとクリティカルダメージ。後は体力と精神、HPとMPである。


 種族は人間で、初回特典あり。初期スキルを10個決められるため、すでにスキルは決まっている。


 従魔術、調合、攻撃微上昇、敏捷微上昇、アイテムボックス、鑑定、神聖魔法、錬金術、世界語、古代語。


 薬が作れれば薬師としてやっていける。採取というスキルの習得方法はネットで書いてた。


 微上昇はテイマー必須スキル。アイテムボックスはカバンとか無しで物を持ち運べるスキルだ。神聖魔法があれば、奇跡というカテゴリー魔法の効果が上がるから、回復職としてやってける。


 世界語と古代語は、なにか文字が読めないという本が出回っているらしい。読んでみたいから。


 うん、これで見た目シャツとズボンと靴つけてるだけの平凡な青年だ。装備は後で良いかな?


『それではどうぞいってらっしゃい!』


 こうして最初の町コールへと舞い降りた。


 自然に囲まれ、海が傍にある町コール。広場では同じような人が多く居て、すぐに端っこに移動した。すぐにやらなきゃいけないことがある。


 ステータスの確認は、器用と知能が高い。知能が高ければテイムしやすくなるって話だし、これは問題ない。


 初回特典、ゲーム初回スタートで課金要素であるランダムアイテムとランダムスキルがプレゼントされる。自分は大きい課金はダメだって言われたから初期スタート課金は無理だけど、お小遣いためてハウスの課金要素。家具とか欲しいな。


 確認したところ、手に入ったのは【妖精の腕輪】と『スキルスクロール(特別)』。


 スキルスクロールはランダムでスキルを覚えるアイテムだ。使ってみると【育樹exスキル】が手に入った。


 確認すると木を育てるスキルらしい。exスキルなのは農業スキルでも使えるアーツなど使えるらしい。それと樹系統の物への経験値が増加されているそうだ。


 農業スキル覚えられるなら、畑も欲しいな。お金があればいいけど。5000Gが初期金額だから気を付けないと。


 もう一つの【妖精の腕輪】は古代語で妖精が住む腕輪。真の力は別の言葉で語られるとなっている。


 言語系スキルは世界語と古代語だけだったけど、他にもあるのかな? 図書館で調べないといけない。


 確認を終えたらチュートリアルを開始する。まずは冒険者ギルドに登録して、開拓者としてスタートしないといけない。


 やることは多い、人も多い。とりあえず楽しくやれますよう祈りながら、私は冒険者ギルドへと向かった。

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