ep.1 不登校になる

中学1年生の12月

 とある日の朝、起きたときには吐き気で学校に行くのが辛いと感じ休むことにしました。最初は症状も軽く数時間で回復し午後までには登校したり、丸一日休んだりしていましたが、半月経たない頃にはもう午後にならないと回復せず登校するのが不可能だと感じ一切登校しなくなりました。

 それまで学校を休むことはなく皆勤だった自分は学校を休むことに罪悪感を感じつつもこの吐き気を我慢して登校し授業に出るのは無理だろうと考えながら毎朝母親に欠席することを伝えていました。伝えたあと母親は私を心配しつつも仕事があるため学校に欠席連絡を入れ仕事に行っていました。私は伝えたあとそのまま吐き気から逃げるように寝ていました。

 日数が経過すると元々PCゲームに熱中していた私は、自室のPCでFortniteやAVAと呼ばれるゲームにのめり込み昼夜逆転しながらも朝だけは一度起き欠席の意志を伝えもう一度眠り昼頃に起きる生活をし、それ以外にもちょいちょい眠る生活、そして昼夜逆転をしたりそれが治ったりといった不規則な生活に気がついたら変化していました。


 そこから時間が飛び中学2年生になると実際朝は体調が悪いものの昼過ぎには回復していることなどもあり週に2回ほどでいいから放課後に「手紙を取りに行く」、「担任と話をする」といった”ノルマ”というのか”妥協案”なのかわかりませんがそのような約束を私は担任と交わしたのです。私の担任は珍しいというか変わった先生でした、不登校になり親が毎朝学校に電話するのが大変だろうと気遣ってくれ他の連絡手段を用意してくださったり、お昼ごろになると家に電話をかけてくださったり、時が進むとzoomを利用したり等、「登校しなくてもいいが最低限顔は見せてほしい」という先生の意見をもとに放課後だけですが学校に行っていました。

 中学2年生の6月ごろには勉強がしたいわけでもないがただこうやって”ダラダラとゲームをして過ごすのではもったいない”と、せっかく学校にいかない分他のことをしてみようと考え、お金が欲しかった私は親の許可を得てインターネット上で仕事をするようになりました。仕事といっても「クラウドソーシング」といわれる業態で自分にできそうなデータ入力をしていました。毎日固定の時間働くわけでもなく時給でもないので大変過ぎるわけでもなく、お金が稼げるわけでもありませんでしたが、取引する大人や一緒に作業している人から対等に扱ってもらえ、なおかつ自分の作業を褒めてもらえすごく満足感を得たことを覚えています。

 のんびりと”いま”だけを考え生活していたところから”つぎ”を考えなければならなくなったのが中学3年になったときでした。

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