第21話 SNSでの出来事

仕事に向けて眠る前にSNSを確認する。

今日の対戦会のお礼を一応呟く事にしている。

とは言っても個人宛にでは無く全体に「今日も集まっていただきありがとう」程度のお礼を呟く。


ふと、通知の数が凄い数になっているのに気づく。

見てみると今朝アップロードした、女の子の絵についてのコメントだ。


「きもっ、あからさまに童貞の書く絵だよね」

「便所の落書きレベルの絵を載せるな鬱陶しい」

「全然似てない。描くならもっと可愛く描いてくれよ、キャラが可哀想」


そんなコメントが500件を超えている。

今回の絵は俺の好きなスマホゲームの女の子の絵だ。世間的にもかなり人気がある。

こだわる人もいるのでその逆鱗に触れてしまったのだろうか。

しかし、こうしてSNSを見ている間も通知が鳴り止まない。

全てアンチコメントだ。

通知はもう600件に上ぼる。


誰もみるに耐えないコメントばかり。

中には俺の性格を否定している物、先日の配信についてのコメント等、絵についたコメントにしては関係無いものまで増えてきている。


流石にここまでアンチコメントで埋まるとショックも大きい。

仕事に向けて眠るつもりが、色々な事を考えてしまい眠れない。

取り敢えず通知も止まらないし、眠いしスマホの電源を切って眠る。


……スマホの通知音は消えても気になって眠れない。

結局またスマホの電源を入れてSNSを見る。


まだアンチコメント流石にイライラが募り爆発した。


「お前ら何なんだよ、人の絵に文句言うのなら自分で描いてみろよ!」


しかし反応は既に絵の事等関係無しにアンチコメントが続く。


「うわぁ。ありきたりコメント」

「ちゃんとした反論もできないのかね」

「ねぇコイツさ、あそこのコンビニで夜働いてる冴えない奴に似てるな」


……マズイ、いつの間にか身バレしそうになってる。

たくさんのコメント見てると、いくつか俺のプライベートに近しい書き込みもある。


これは……身内?

対戦会に来てる人のコメントなのか。

いや、それでもバイト先までは知らないはずだ。

一体誰が……。

そんな事を思い気になりながらその日は全く眠れず、バイトへ向かった。

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