第18話 ネット配信での対戦2

今からまたネットでの対戦だ。


先週台無しにされた、とても楽しみな対戦試合。

今日はさっきまで休み、適度に練習して身体も温まってる。全力で行けそうだ。


勿論前回と同じ対戦相手、実況者と揃い、ルールも同じ10本先取。

軽い試合ルール説明と挨拶から対戦が始まる。


「よろしくお願いします」

「よろしくお願いします!」


実況者側も対戦相手もテンションを上げているのが判る。


今日はお互い楽しい試合になりそうだ。


いざ試合が始まると早速書き込みが。

「今日は全力見られるね」

「がんばってね」


等、快くゲームを始めたのも束の間、


「また懲りずにやってるのかよ」

「これっていじめじゃ無いの?」


等と俺を批難するコメントも今日は既に書き込まれている。


まぁ、気にせずやっていこう。

きっと俺では無くこの動画の配信者の敵対勢力なのかも知れないと思う事にした。


今日は一進一退の戦いが繰り広げられる。辛うじて俺が勝っている状態だ。


「この前やり過ぎてたからわざと負けてる?」

「見え見えだよ、この八百長試合」


俺に対するアンチコメントが目で追えない程の数で書き込まれている。


ここまで多く、一方的に書かれると流石に気にもなる。

因みに全て俺の事で、対戦相手や実況者については殆ど書かれていない。

書いてあっても実況者に、

「何故こんな奴の試合配信しているんだ」


対戦相手には、

「こんな奴の相手を嫌なら受けなくてもいいんだよ」


殆ど俺のことに関してのコメントだ。


「まだやってるのかよ、やめてしまえ」

「目障りだよ、消えてくれよ」

「クソゲー作ったり変な絵ばかり書いて気持ち悪いんだよ」

「フィギュアばかり買って気持ち悪い」


どう見ても試合だけでは出て来ない俺の情報も混ざってくる。


そして試合がおわる。

「お疲れ様でした」

互いに挨拶をする。

試合は何とか俺の勝ちで終わったが、コメント欄がほぼ全て俺へのアンチコメントで埋まっている。


実況者側も収集がつかなくなっており、半ば急ぎ足で配信を終える。


対戦相手と実況者が俺に謝ってくる。

「ごめんなさい、こんなはずじゃ……」


「大丈夫だけど、誰だよこれ書き込んでるの。ムカつくなぁ」

俺は怒りを露わにした。


ブチっ


ん?何の音だ?

「あ、ごめんなさい、今まだ音声だけ入ってました」

実況者の人だ。


大丈夫だと笑って挨拶し、改めてお礼と挨拶を交わして今日の対戦は終わった。

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