第26話 生きるのに特化ですよねー!

 森を徘徊しながら、考えていたんだけど、このスキル【寄生】って、やっぱり生きることに特化しているっぽい。


 というか、あとどれだけ隠されているんだろう。


 この【寄生】ってスキルの能力。


 私は右の万能触手ちゃんで木にぶら下がりながら、もう左の万能触手ちゃんに目を向ける。



 ――ニュルニュル。



 ふふっ、可愛い!


 けど、やっぱり不思議過ぎるスキルだわー。


 【寄生】って、他のスキルと違って、対生物用・緊急離脱用・万能触手ちゃん、この3つがある上、それぞれに役割があるっぽいんだよねー。


 常時発動型であるし、自己発動型でもあるみたいな?


 しかも、これが不思議や不思議!


 スキル【継承】と上手く噛み合っている上に、たぶん、ステータス値まで反映しているんだよー!


 実際、こうやって移動する速度も速くなっているわけだし。


 とはいえ、さすがにこれもコミコミで考えて選んだんだー! っていえないかな……あははー。


 あ、そういえばステータス確認していなかった!


 また、心の平穏を保つ為にっと!


《ステータスオープン》


【個体名】おしゃぶり(転生者)【種族】物

【レベル】10

【体力】1000/1000【魔力】2450/2450

【攻撃】880【防御】980

【敏捷性】1500【知力】500

【健康状態】―

【空腹状態】―

【スキル】寄生レベル5 継承レベル10

     捕食レベル1 酸攻撃レベル2

     氷魔法レベル1 威圧レベル1 

     料理レベル2 仲間呼びレベル5

     格闘術レベル5


 ほうほう、やっぱりちゃんと継承されてる!


 私はふと思った。


 寄生と継承のスキルってチートではないかと。


 だってさー、後天的にスキルを発現させるには、血の滲むような努力の果てに、どうにか手に入れるかもしれないっていう、曖昧of the曖昧のなんだよ!?


 からの! このスキル数って、ちょっとやばすぎるでしょうよ!


 まぁ……これが人間だったら、勇者とか? どっかの街に行って凄い能力だ! とか言われちゃったりして、どうにかなって貴族の皆さんの仲間入りしたりちゃう?


 それだったら、人間に転生するって素直に願うのもありだったかなー。


《……はっ!》


 待って……気付いてしまったんだけさ。


 人間だったら、今より過酷かも?


 いや、普通に人間の体から触手が伸びて、その人に寄生してスキルを奪っていくとか、普通に考えてやばいもん!


《いや、もうそれ人間ちゃうで!》


 せやで、せやで! もう、触手ビュンビュンお尋ねおしゃぶりより、過酷やで!

 

 ふふっ、一人漫才してやった。


 とはいえ、イミフなおしゃぶり生を満喫している私がなにを言っても、説得力皆無なような気もするけどね。


 完全なお前言うな、おまいうってやつよ。

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