美少女な擬人化月曜日ちゃんが迎えに来た~日替わりで毎日違う女の子が俺の部屋にくる、毎日違う美少女を連れてる俺、なぜか学園の女たちにもとつぜんモテ出すがもう遅い
にこん
第1話 月曜日ちゃんが迎えに来た
「はぁ……やだなぁ」
日曜日の夜、俺は布団に入りながら呟いた。
高校に入学したばかりの俺だが、既に学校に行きたくなくなっていた。
なんていうか友達ができないのだ。
そんなんだから俺の一日は説明すると3行で終わる。
起きる。
学校行って帰る。
寝る。
これだけだ。
これ以外のことはしていない。
「まじで鬱になるわ」
俺は布団の中に入りながらゲームを取りだした。
カチャカチャピコピコ。
ゲームは好きだが、ゲームのことを話す友達もいない。
ゲームを布団の外に投げ出した。
「……寝よ。なんか頭痛くなってきた」
ズキズキと痛む頭を抑えながら俺は布団に入った。
なんなんだろう?体調でも崩したかな……?
まぁ、寝てれば治るだろ。
◇
「起きてー、朝だよー」
ゆさゆさ。
体を揺すられるような感覚に襲われて俺は目を覚ました。
(誰だ?)
目を開けるとそこには女の子がいた。
黒髪ショートカットの女の子。
なんというか特色がない女の子。でも、かわいかった。
「……ん?」
目をゴシゴシこすった。
「どうしたの?」
ニコッと笑って聞いてくる女。
「誰だ、お前」
「私は月曜日。名前は
ニコッと笑ってた。
「……」
頭を抑えた。
俺の頭はいかれちまったのか……?
それとも悪い夢でも見ているのだろうか?
「見えてはいけないものが見えているのか?寝直すか」
「だめだよっ!学校遅れちゃうよ」
昨日は頭痛かったし熱でも出て変な幻覚でも見てるんだろう。
「ふぁ〜」
あくびして俺はベッドから這いずるように出た。
そのまま制服に気がえて部屋を出ることにした。
俺の家は一軒家である。
2階に自分の部屋があって、生活スペースは下にある感じ。
1階に降りて台所へ向かう。
"
母さんが作ってくれた朝ごはんらしい。
「要らないって言ってんだけどなぁ」
俺は冷蔵庫に食事を放り込んだ。
いつも朝は食べない。
しかし、母親は俺のためにこうして用意してくれているわけである。
頭が上がらないよな。
俺はそのまま寝癖も直すことなく家を出ていくことにした。
俺が寝癖を直しても直さなくても世界は変わらない。
無駄なことはしない主義である。
そんなことしてる暇があったら寝たい。
俺は最寄り駅に向かった。
俺の通う学園は俺の家の最寄り駅から1駅分のところにある。
ちなみに俺がこの学園に進学することを決めたのは近いからである。
ただそれだけの理由。
そんなわけで電車一本乗ると目的地に近付いてきた。
電車のアナウンスが聞こえてきた。
『ネクスト、学園前駅』
とまぁ、この学園はすごいんだよな。
真ん前に駅があったり、すげぇ、便利なんだよな。
俺があくびしてると月が俺の袖を引っ張ってきた。
「ねーねー、来夢くん」
「なに?」
「私たち以外の生徒いないんだね」
「俺たちが遅いからな、他の奴らはそりゃ10分前行動よ」
俺はいつもギリギリ時刻に間に合う電車に乗っている。
だからこうやって周りに生徒がいないなんて光景は日常茶飯事である。
「ってか、気になってたけど。その制服どうしたの?」
朝から気になっていたけど月は星将学園の制服を着ていた。
「秘密でーす」
(幻覚だしこんなこと聞いても無駄だったな)
俺はそう答えを出した。
そのとき、プシューっと電車が駅に着いた。
俺はゆったりとした動作で電車から降りた。
駅を出て少し歩くとそこには星将学園の門がある。
「だっる」
あくびしながら俺は門に向かっていった。
そのときだった。
「ちこくちこくー!!!」
男の声。
リアルでそんなセリフ発するやついるんだな、とか思いながら俺は聞こえた方に目をやった。
いつもならスルーするところだが……。
俺の数少ない知り合いと呼べる男がこっちに向かって自転車漕いできてた。
「どけどけー!来夢!ひいちまうぞー!!ってか、止めてくれー!お願いしますっ!ブレーキ壊れちまってるんだ!」
「お前の整備不良が悪いんだろ」
俺は道を譲ってやることにした。
そのままそいつは自転車に乗ったまま電柱に衝突した。
「ぐべぇ、酷い目にあった」
大破した自転車を起こしながらそいつは俺の方に近付いてきた。
そのときに月に目をやった。
「その子は?来夢」
「私はらいと」
らいとは俺の腕に抱きついてきた。
俺は目を見開いた。
もちろん、目を見開いた理由はらいとが俺に抱きついてきたことに対して、ではない。
「田中。まさか見えてんのか?らいとのこと」
「当たり前だろ?くぅ〜、来夢。先越されちまったかっ!俺が先に彼女作ってお前の前でイチャコラしてやろうと思ってたのにぃ!お幸せにぃ〜っ!」
田中はオンボロ自転車を漕いで学園の中に入っていった。
俺は月に目を戻した。
月は柔らかい笑顔を俺に向けていた。
「幻覚じゃなかったのか」
それはたいへんだな。
幻覚の方がまだよかった。
ぐにょーん。
頬を引っ張ってみたけど痛い。
どうやら夢でもないらしい。
さて、どうしたものか。
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