002-思案
『落ち着かれましたか?』
「...ああ」
数分後。
俺はマグをデスクに置いて、息を吐いた。
どうやら、これは夢でも幻覚でもないようだ。
俺に話しかける少女は『
スキンを変えることで、今のような可愛い少女の姿にもできるのだ。
『ただいまのNoa-Tunの状況は最悪です』
「ああ、分かってる」
俺は頷く。
目の前の画面には、Noa-Tunの状態が表示されている。
ホールドスター 『Noa-Tun』 状態:係留 未知の惑星軌道上
◇物資倉庫 状態:『破損』 火災鎮火済み
◇修理ベイ 状態:『大破』 火災発生中
◇マーケットベイ 状態:『崩壊』
◇ドローンベイ 状態:『破損』 火災鎮火済み
◇加工施設 状態:『小破』 火災鎮火済み
◇研究施設 状態:『崩壊』 火災発生中
◇居住区画 状態:『崩壊』 火災鎮火済み
◇弾薬庫 状態:『大破』 火災発生中
◇小型艦艇ドック 状態:『破損』
◇中型艦艇ドック 状態:『大破』
◇大型艦艇ドック 状態:『崩壊』
◇旗艦級ドック 状態:『未接続』
◇戦闘指揮所 状態:『中破』
◆シールド 0%
◇シールド発生コア 状態:『破損』
◆アーマー 0%
◇アーマーリペアシステム 状態:『未接続』
◆HP 1%
◇オービタルコアシステム 状態:『稼働中』
◆非常電源残量:99%
◇セントラルコアシステム 状態:『停止』
とまあ、最悪である。
しかし、どうやら敵までは着いてこなかったようで、なんとか1%の状態で保っていた。
「とりあえず、各所の火災を鎮火してくれ。戦闘指揮所にいれば安全なんだよな?」
『はい、艦隊司令。生命維持システムは後422日間稼働可能です、非常用食料と安全な水は司令一人分であれば211日間維持することが可能でしょう』
「それは良かった」
オービタルコアシステムが稼働しているので、惑星の引力に捕まって落下するといったことは起きない。
それも、セントラルコアシステムが再起動しないことには遠い未来の話でもないが。
「リペアアラは付いてたか?」
『はい、ただし焼け石に水です』
だろうな。
壊滅寸前で踏みとどまっているんだ、いつ爆散してもおかしくない状況でリペアも意味がないだろう。
「ないよりはマシだ、ドローンベイを優先して修理して、リペアドローンを出せ、セントラルコアシステムを復旧させて高速リペアを実行する」
『了解』
オーロラが恭しく頷いた。
人に命令するのはあんまり慣れた事じゃないが、とにかく今はスピードが大事だ。
このままだと最悪俺は死ぬからな。
「それはそれとして、紅茶のおかわりをくれ」
『承知しました、艦隊総司令』
お茶でも飲まないとやってられん。
数時間後、ドローンベイの応急処置が完了した。
中型以上はまだ発着できないが、小型のリペアドローンは何とか起動できた。
『内部の電気系統修復を優先してもよろしいですか? このままですとコア再起動時にショートを起こす可能性があります』
「ダメだ、並行して行え」
『了解』
オービタルコアシステムが止まったら、重力場を制御できなくなってNoa-Tunは崩壊する。
非常電源で保たせられるとはいえ、発電手段がない今はコアの復旧が先決だ。
「さて...俺は俺で、できる事をするか」
俺は慣れない操作で端末を操作する。
星系内に残存しているユニットがあれば、復興の大きな助けになる。
「......ダメか」
特に使えそうなものは範囲内にはない。
肩を落とす俺だったが、
「..........ん?」
その時、意外なものを見つけた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます