直立2足歩行の獲得
立ち読み愛好家
第1話
これは、私が以前同人として出した本のリメイクです。
人類の進化には、いくつかの謎があるとされており、その一つが直立2足歩行の獲得です。
この謎があることに気付いたのは、手塚治虫氏の漫画「三つ目がとおる」です。
渚猿人仮説について説明されて居まして、敵に襲われた類人猿が、4つ足で疾走して渚に逃げ込むというシーンが描かれてまして、あれ、類人猿は4つ足で走れたかなと疑問に思ったことがあります。
次に疑問に思ったのもやはり漫画で、「ファイブスターストーリーズ」の扉で、肉食獣が獣人に進化する過程を描かれて物があって、腕が体側に移動する理由が、物を投げるための進化だと解説されていたことに疑問を感じました。
祖先を肉食獣と設定したために腕を体側な移動させる理由を物を投げるためとしなくてはありませんでしたが、祖先が類人猿であれば、腕はもともと体側についているので、腕を体側にする理由について考慮しなくてもいいわけです。
類人猿の腕が、体側についていることは良いとして、進化の歴史上いつから体側に移動したのかという疑問もわきます。他の哺乳類を見ますと、腕つまり前肢は、背骨を水平に置いた場合、体の直下についています。
これは、直立四足歩行と言える形態で、両生類、爬虫類段階で体側にあって、肘、膝を直角に曲げて接地していた四肢を体の直下に引き込むことで、肘、膝を直立させた状態にあることで、直立四足歩行と表されます。
直立四足動物と言えるのは、地球の歴史上、恐竜類が、いますが、現生の動物では、哺乳類とワニ類しかいません。ワニ類の四肢は体側ではないかという意見も聞かれますが、これは水中への再適応の結果で、地上を走ることもできますし、腕立て伏せも可能です。
類人猿の腕が、体側にあるのは、樹上への適応でしょう。樹上への適応の結果として、腕が体側に移動した進化の例として。鳥類と、原猿のベローシファカが挙げられます。昔テレビでツメバケイの特集を見たことがあって、ツメバケイは、前足、つまりは翼に幼鳥期には爪があって、外敵に襲われると巣から逃げ出す習性がありますが、逃げ出す場合に水に潜ったり、枝をつかみつつブラキエーションで移動したりするその動きから前足が体側に移動した歴史が垣間見えます。
なお、翼に爪があるのはツメバケイだけではなく、日本にも生息している鳬(ケリ)という鳥がいて、「翼角」という器官があるので、結構ありふれているのかもしれない。
さて、類人猿では腕が体側ににあるのは説明できたと思うが、直立2足歩行の獲得について説明できていない。
これには地殻変動がかかわっていると考えている。地殻変動による造山運動で、アフリカの大地は西アフリカと東アフリカに分かれている。西アフリカではジャングルが発達してしているが、雨陰となる東アフリカでは草原が広がっている。
森に棲んでいた類人猿は森が消えたため、仕方なく草原に生活の場を移さざるを得なくなった。草原には当然外敵がいる。外敵は主にに同じく森林を追い出された肉食獣などで、肉食獣は四足走行が可能である。肩の構造から四足走行ができなくなった類人猿は少しでも対抗するため、直立2足歩行と2足走行を身につけざるを得なかった。
同じく森を追い出された真猿類は、四足走行能力を失っていなかったので、ヒヒに進化した。
2足走行を身に着けたことで、哺乳類の抱える別の問題が結果的に解決できている。
それは走行と呼吸の両立が難しいということである。
哺乳類では、背骨を上下にしならせて運動するので、呼吸との両立が難しく、結果として持久力が低いが、人間に場合は走行に上半身背骨の動きを伴わないので呼吸を阻害せず、高い持久力を発揮しうる。
直立2足歩行の獲得 立ち読み愛好家 @jtanaka_01
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