第23話振子細工の様に有頂天

言い終わると、右肩を抱いていた僕の右手を払いのけ、身を翻しまじまじと僕を見詰めた。


 2人の歩行が止まったのは加茂川手前の横断歩道が終わりに差し掛かった所だった。

「まえから好きだったって言われて・・・、付き合って下さいって言われて・・・。どうする?」

「俺に聞くなよ。今、俺と付き合って居るんだろ?」

 投槍な言葉を吐いた。

負けると分かっていたから?

 もう明花の心はブレにブレて、振子細工の様に揺れ動いているのが、分かった。

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