野営2日目3

なんだかんだでスープができた。お皿に分けるのめんどくさいからこのまま食べてしまおう。

どうせ1人だし……。

誰も見てないし……。

別にいいよね!



「よし!いただきます。」



シーンとした空間で黙々と食べる。

何度でも言うけど1人だから!

ばぁやが居なかったら家でも1人だったけど!

ばぁやが一緒に食べてくれてたから別に寂しくなかったし!

賑やかじゃなくてもばぁやのおかげで寂しくなかったんだからそれでいいんだもん!

別に……、強がってるわけじゃないもん…………。

あぁ……もう!

湿っぽい空気になっちゃう!

今が辛くてもきっとなんとかなるんだもん!

なんかしてもらうんだもん……。

無力ってなんか辛い………。



「……ごちそうさまでした。

……片付けよう……。」



美味しくできたはずなのに美味しくなかった……。

食べきったけど生きる為には必要だからっていう義務みたいな感じ?

生きるための栄養になってるから大丈夫なはず……。

ばぁやと一緒に食べるようになる前は、食べてるのに美味しくなくて生きる為だって思って頑張って食べてたなぁ……。

食べてるのに痩せたような?そんな感じしたけどばぁやからもそう見えたんだろうね……。

それから一緒に食べてくれるようになったんだよね……。

1人になったらばぁやとの思い出ばかり出てくる…………。

余計寂しくなっちゃうのに……。



「…………はぁ。

私ってばぁやのこと大好きだったんだね……。

ばぁやしか知らないから当然かもしれないけど……。

ばぁやどうしてるのかな?

早く会えるようにならないかなぁ…………。

そしたら……お兄ちゃんにもお父さんにも寂しかった期間あった分だけいっぱい………………。

…………もし会えなかったら?」



ネガティブ思考にどんどん入っていく……。

もしもを考えたらキリがないことくらいわかってるけど止まらない。

それでも片付けは進めてる。

思考と体の動きは別みたいな感じ。

鞄に調理道具を全部しまいテントの中に戻る。

鞄を握りしめながらベットに座りひざ掛けをかけポケットにしまった手紙を取り出す。


「残り少ないけどきっと他国の知り合いさんについてだよね……。

子供1人で行けるのか分からないけどきっと解決方法とかも書いてあるはず!

だってばぁやだから。

ばぁやもきっと私の為に沢山頑張ってくれたんだよね……。

私は当日というか馬車から投げ捨てられてから捨てられたの知ったけどきっとばぁやはもっと前に知ってお父さんと準備してくれたんだよね。

そんな事全然気づかなかったけどさ。

私が気にしないようにしてくれてたんだなってちゃんと分かってるよ……。」

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