プロローグ3

女神達の父親と言われる人物が謝りにやってきた。



「俺が呼んだばかりに悪い……。」



僕達は慈悲を使うしかないのを悟った……。

女神達の世界は重い空気に変わってしまった……。

天命を受けてしまった自分達の可愛い愛しき子……。

天命を受けた可愛い末っ子を失ってしまった家族の悲痛な思いはなかなか消えない。



「ねぇ……あの子はどこにいるの?」


「……行く予定じゃなかったもう1つの世界だ……。」


「そう……。私の末っ子は天命より前に私の元を離れてしまったのね……。」


「俺のせいだ……。2人のめんどうを見てくれてた2人を呼んでしまったから……。

末っ子が何して過ごしてるか聞くタイミングでは無かったんだ……。」


「あなたのせいじゃないわ……。

私達の可愛い末っ子の事が気になるのは私も同じだもの……。」


「でも新たに子を作るのはお前の負担にもなるからな……。」


「あの子が元気ならそれでいいわ……。

それに私達の子供達は6人もいるのよ?

末っ子を入れたら7人だわ……。」


「お前が頑張ってくれたからな……。

まさかこれで子供は最後にしようと決めたのに……。

天命を受ける子が末っ子として産まれるとはな……。」


「そういう理だったじゃない。

私達の神様が決めた事よ。」


「俺達は神ではないからな……。

神が作った世界のふたつを見守る為に作られた女神という存在だしな……。」


「神様も勝手よね。

私達は6人も大切な子供達が居るのに天命を受ける子供を私達に作らせるとか。」


「反対しても聞かないからな……。

天命を受けたらずっと一緒に居れないとか言われたら作る気にもなれんだろう。」


「そうなんだけどね……。

可愛いわが子……。

どこに居るのかしら……。」


「それは……。そうだな……。」



父親と母親は子供達以上に悲しみが深かった……。

そしてやっぱり人として生きてしまっていたと発見した子供達から聞かされることになる。

代わる代わる末っ子の様子を見守る事に徹している女神達は悲しみが薄れ始めていた。



そして17年の月日が流れる。

末っ子は周りに愛されながら元気に過ごしていた。

末っ子の両親は末っ子の力に耐えられなくなり末っ子が15歳の時に亡くなってしまった。

女神達は邪魔された感が強いが神が決めることだと諦めた。



「あの子が17歳になったそうよ……。」


「俺も知っている……。

しかし神が決めることだ……。

不運な死に繋がらなければいいが……。」


「それもそうね……。」



そんな2人の考えが本当になってしまった。

周りに愛され大切な友人にも恵まれ楽しい時を過ごした末っ子は不運な死をとげ輪廻転生するしか無くなった。

全ては神が決める理通りに…………。

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